キャラクターのデザインは「ザ・マペッツ」から影響を受けた
――作品には非常に個性的なキャラクターも多く登場しますが、どのようにその性格などを設定されたのでしょうか?
うん、キャラクターをデザインするのは、テレビ番組を作る最も楽しい部分のひとつだからね。僕らはとても才能のあるアーティストをたくさん使っているから、僕がこの番組の中で一番優れたアーティストというわけじゃない。キャラクターのデザインには、大勢の友達や同僚が協力してくれたんだ。
「怪奇ゾーン グラビティフォールズ」の“デザイン哲学”のようなものは何かというと、僕らはシンプルなキャラクター、描きやすいキャラクターを好んで採用すること。僕らが特に影響を受けたのは「ザ・マペッツ」と思う。シンプルな丸い目と大きな頭と小さな手と腕。それって即座に人を惹きつける、と思うし、それにこんなかわいいキャラクターが、恐ろしげなモンスターに向かっているのが、また面白いコントラストになるんだ。
シリーズを通して少しだけ成長していくキャラクター
――初期の設定から変わったキャラクターなどはありますか?
もちろんある。このシリーズに登場するどのキャラクターにも、それぞれ一番欲しているものがあると思うんだけど…「メイベルはボーイフレンドを見つけたい」「スタン大叔父さんは大金持ちになりたい」「ディッパーは宇宙の神秘に対して答えをすべて知りたい」。そして番組が進行するにつれて、彼らはそれぞれの欲しているものに近づいたり、遠ざかったりする。そして少しだけ成長していく。
その中でディッパーは、それまでよりも少しだけ人との関係を大切にするようになり始める。スタン大叔父さんは、金儲けだけに執着しているわけではなく、実は家族を大切に思っていることがだんだんと分かってくる。そしてメイベルは何度も失恋を繰り返すうちに、恋というのは焦ってすべきものではなく、自然に恋に落ちるのを待つべきなのかも、と気づき始めていったんだ。
――番組を終えた今の気持ちを教えていただけますか?
終わりというのは難しい。いつも難しいことだと思っているんだけど…学校を去る時、仕事を辞める時、恋人と別れる時…どんな時でもね。テレビ番組を終わらせる時も、全く同じなんだ。嬉しくもあり、同時に悲しくもある。これほどたくさんの人たちに楽しんでもらえるものを作ることができて、僕はとても誇りに思う。完成させてしまったのは悲しいけれど、いい話というものには、必ず終わりがあると僕は思っているし。僕たちがつくり出したミステリーに、結末をつけることができたことに感謝し、今は未来についてワクワクしているんだ。