©劇場版「MARS~ただ、君を愛してる~」製作委員会

思わず泣いてしまうくらい、スタッフも感情移入

――撮影現場の雰囲気はどうでしたか?

飯豊:ドラマから立て続けだったので、現場の雰囲気もとても気合いが入っていて。1つの作品をみんなで意見を出し合って作ろうっていう感じだったので、本当に楽しかったです。

あと自分がこの作品ほど現場に長く行くことが今までなかったので、辛いこともあったんですけど、今思えば毎日楽しかった思い出しかないですね。

純粋さゆえに残酷なストーリーでシリアスなシーンも多かったんですが、現場にはその気分をさらに盛り上げる切ないラブソングがめちゃくちゃかかってました。その歌にまたジーンときて、「私もうダメかも」みたいに役に感情が入り込んでいってました。

ヘアメイクさんもメイクしながら「すみません、キラに感情移入しすぎて」って泣いちゃうくらい(笑)。スタッフさんもジーンとしちゃう現場でしたね。

――映画だと、特にドラマにもまして窪田さん演じる牧生が狂気を秘めたキャラでしたが、現場ではどういった立ち位置だったんでしょうか?

飯豊:窪田さんは本当に二面性のある方だな、と思いました。というのも、シリアスなシーンなのに、撮り終わったらスマホのゲームをやりだすんですよ。もうオン・オフがすごくて、「どうやって切り替えてるんですか?」って聞いたら、その場の感情を大切にしていて、「その場で動いてやっているから作ってきてないよ」みたいに言われて。

撮影の何日も前からセリフをパッと覚えて来ていて、「よし、セリフは覚えた!」というノリで撮影に入っているように見えるのにきちんと演技が完成されているので、「え!?あの能力欲しい」って思いました(笑)。

これはどういう風に演じられるのかな、と思ったら、想像より5割増ぐらい怖さ倍増で、私も鳥肌が立っちゃうくらいだったり。あの役は窪田さんじゃなかったら演じられないな、と全身で感じてました。

あの人工呼吸シーンをみんなで笑って見ていた

――藤ヶ谷さんと窪田さんの撮影現場での雰囲気はどうでしたか?

飯豊:お二人はすごく仲が良さそうでした。窪田さんが来られると、藤ヶ谷さんの表情も柔らかくなっていた気がします。窪田さんの発言がとても面白くて、それにクスッて笑っていたりしましたね。劇中では殴りあったりとか、全然仲良いところはないけど、撮影はみんなで仲良くしてました。

――和やかな現場だったんですね。

飯豊:ドラマの藤ヶ谷さんと窪田さんの人工呼吸シーンとかも、みんなでモニターで見て、笑い合ってやってましたよ。窪田さんがキスした後に、風がフワッと入るんですけど、あれは演出じゃなく自然に風が前髪のところにフワッと入って、そこが「いいね!」ってみんなで言って(笑)。

――藤ヶ谷さんも窪田さんもそれぞれの役に重なる部分ってありますか?

飯豊:零はキラちゃんにとって光のような存在だと思うんですけど、現場にいる藤ヶ谷さんは太陽みたいな方で、そこは共通する部分だと思います。いつも完璧なんですけど、どこかで考えたり悩んでいるように感じる時もあったので、そこは一瞬零っぽいなと思ったところでしたね。いつも完璧でキラキラしてるけど、何か秘めた部分もあるのかな?と感じました。

最初は勝手に怖い方なのかな、と思っていたんですけど、とても優しくて。みんなの体調を気遣ってくださったり、みんなの良いお兄さんでした。

窪田さんは、牧生とは共通する部分はないんじゃないかな。本当に性格が違う気がします。人との接し方もサッパリしてますし、あまり人に入り込まない所とかも全然違うし。よくおしゃべりしてくださる気さくな方です。そこが私は一番ビックリしました。もっとクールで口数の少ない方かな、と思っていたら、すごく気さくな方でした。