3. その人のために頑張る自分に気が付いて
「同じ部署で働く同僚がいるのですが、お互いにコーヒーが好きで『○○の新作、飲んだ?』と写真を見せあったりチケットをもらったり、楽しく話せるのでいいなと思っていました。
ふたりとも好きなブランドがあって、仕事帰りにそこでお茶するときもあって、こんな時間が持てる人がいて良かった、と思うこともあったのですが。
あるとき、そのお店で限定のグッズが販売される告知があったのですが、あいにく彼女は出張の予定が入っていて『残念だけど、今回は諦める』って言うのを聞いたとき、“彼女の分まで俺が買おう”と自然に思いましたね。
当日、列に並んでいるときに彼女の喜ぶ顔ばかり浮かんできて、『あぁ、好きなのかも』と気が付きました。
しっかり彼女の分をゲットして、出張から帰ってきた彼女にプレゼントしたら『わざわざ買ってくれたの!? ありがとう』と大喜びしてくれて、頑張って並んで良かったなと思いました。
好きだけど、今の関係が壊れるのが嫌でまだ告白できていないのが悩みです……」(25歳/営業)
競争の激しいグッズの販売でも、彼女のためと思えば並ぶことが苦痛ではなかったこちらの男性は、女性の喜ぶ顔が見たいと思う自分に気がついて恋に落ちたことを知りました。
「その人のために頑張る自分」に違和感がないのは、それだけ相手を受け入れている証拠。喜んでほしいと願うのも、純粋にその人の存在がうれしいからだといえますね。
告白の葛藤は、いずれ気持ちを抑えきれなくなったとき、行動に現れるのではないでしょうか。
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恋に落ちる瞬間は、本人が目の前にいるときだけとは限りません。離れていてもその存在が浮かぶとき、心地よい感情が心を満たします。
好意は無自覚のうちに育ちます。それに気がつくタイミングは、ふたりの間に普段とは違うことが起こるとき。関係が変化を迎えたとき、その人と「こうありたい」と思う自分を知るのですね。