汗っかきのちびっ子たちには、プールや水遊び場での遊びが楽しい季節。しかし、子連れでのプールや水遊び場で気になるのが「マナー」の問題。
水遊びオムツの利用についても施設によってルールが違ったりと様々な意見が飛び交っていますが、今回は、ママでなくても気になるもうひとつの問題。
公共の場で子どもを全裸にさせて着替えをさせたり、全裸で遊ばせたりするのって、法的に問題ないんでしょうか? また、何歳以上はダメ、など年齢で変わってきたりするのでしょうか?
昔はよく見かけたものの、最近は珍しくなってきた光景。今、マナーとしてどう考えれば良いのか、島田さくら弁護士に聞いてみました。
公共施設で子どもが全裸、法的には問題ないの?
『まず、大人の場合について考えてみましょう。
公共の場での全裸になったり、局部、でん部など通常露出しない部位を露出したりすると、刑法上の公然わいせつ罪(刑法174条)にあたりますし、あるいは各都道府県が定める迷惑防止条例や軽犯罪法に違反することになります。
これらの刑罰の重さは、公然わいせつ罪>迷惑防止条例違反(東京都の場合)>軽犯罪法違反となります。
簡単に説明すると、公共の場で身体を露出した場合のうち、性器の露出を伴う場合は公然わいせつ罪、性器の露出までは伴わない場合は迷惑防止条例違反、さらに軽い場合は軽犯罪法違反になるということです。
そして、全裸の場合、性器を露出することになりますから、公然わいせつ罪にあたります。
さて、子どもが全裸になった場合についてですが、公然わいせつ罪の「わいせつな行為」とは「一般の人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」のことであり、全裸の赤ん坊を見ても、普通の人は性的羞恥心を害されることもないでしょうし、水遊び場で赤ん坊が全裸でいてはいけないという「善良な性的道義観念」というのも存在しないでしょう。
ですので、親が水遊び場で小さな子どもを全裸にさせても、そもそも公然わいせつ行為をしたと評価できず、公然わいせつ罪は成立しません。
また、迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反にもならないでしょう。
また、13歳以下の子どもがやったことについては犯罪になりません。なので、当然ですが小さな子ども自身に公然わいせつ罪は成立しません。
だからといって、例えば13歳の体格の良い中学生が、全裸で街を闊歩するのは自由だ!・・・ということではありません。
そういった子どもは触法少年として保護処分などの対象になる可能性があります。』