2.遠回しに「好きでいられても困る」と伝える
「職場の部下なのですが、以前から俺に好意があるのかな?とは思っていました。
俺がいる飲み会だけは毎回出席していたり、仕事も俺が見る分はほかのものより丁寧にまとめられていたり、割とわかりやすい態度が多かったですね。
俺自身は後輩のことは何とも思っていなくて、もし告白されたら断るしかないからどうしようとか考えていたのですが、そんな気配はないので安心していました。
が、俺が異動になって、別の支社に移ってからも彼女はちょくちょく顔を見せて、毎回俺に話しかけるので部署でもちょっと噂になってしまったんですよね。
お土産も断っても持ってくるし、退社の時間を狙ったみたいにやって来て誘われるのを待っている雰囲気で、このままじゃダメだとある日彼女をお茶に誘いました。
彼女は明らかに期待した様子だったけど、『実は今のプロジェクトが大変であなたの相手をする余裕がない。あなたも自分の業務に集中してほしい』とはっきり伝えました。
『来てくれるのはうれしいけど』と言ったらまた勘違いすると思ったので、とにかく多忙なことをアピールしましたね。
俺としては遠回しに好きでいられても困るってことを伝えたつもりで、彼女はショックを受けたように黙り込んでしまったけど、そのままお金を置いて俺は帰りました。
それから彼女が来ることはなくなってストレスは減りましたが、告白してくれたらきちんと『ありがとう』と言えたのに、拒否するような形になったのが今でも後味が悪いです」(35歳/営業)
こちらの男性は、「会いに来るのを受け入れ続けたら、彼女が勘違いしてしまう」という不安も持っていました。
いっそ好きだと言ってくれたら、「応えられないけど、気持ちはうれしいよ」と感謝も伝えられるのに、何も言われないままでは女性の好意を見ないフリで断らなければならず、これも、男性にとっては大きな負担になります。
真面目な男性ほど、女性に向けられる好意はたとえ受け取れない場合でもきちんと向き合おうとします。中途半端な状態で関係が進むことに居心地の悪さを覚えるのは、「最後は断る」という結末が女性を傷つけるとわかっているからです。
自分はその距離感を楽しめていても、男性が同じでなければ遠ざけられる可能性も決して低くはないのですね。
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どちらの男性も、女性から向けられる好意そのものは、決して不快ではありませんでした。
それでも、いつまでもその状態でいいのかと言われればそうではなく、やはり「今後どうするか」を考える瞬間はやってきます。
好意を見せる以上、男性の気持ちも動くことを忘れずにアプローチしたいですね。