幼少期にしつけておきたいことの一つに「挨拶」があります。でも、うちの子は人見知りが激しくて、なかなか自分から挨拶ができない。何度教えてもだめなどの悩みを持つママもいるかもしれません。

そこで今回は、小児科医・医学博士・文教大学教育学部教授の成田奈緒子先生に、挨拶の重要性と共に、子どもに対して簡単に挨拶を身に付けさせることができる方法を教えていただきました。

社長たちが最も厳しくしつけられたのは「挨拶」

株式会社ESSPRIDE(エスプライド)が2018年11月に実施した、全国の社長100名に対するアンケート調査結果では、幼少期に厳しくしつけられていたことのトップは「挨拶」で43.0%という結果に。

Q. あなたは幼少期に厳しくしつけられたことはありますか。(複数回答 n=100)

2位は「食べ方」で33.0%、3位は「姿勢」で25.0%、4位は「勉強」で24.0%。挨拶や食べ方、姿勢など、勉強よりもごくごく基本的なマナーがしっかりとしつけられていることが分かります。

ちなみに本調査での「幼少期」は、生まれてから小学校卒業までの期間と定義されています。

挨拶のしつけの重要性

幼少期のしつけの中でも、「挨拶」は特に大事というのは、多くのママたちが知っていることでしょう。ところで、なぜ挨拶のしつけが重要なのでしょうか。成田先生に伺いました。

成田奈緒子先生(以下、成田)「たくさんの不登校児や引きこもりの若者と関わっている中で、最も感じるのが、家庭で『ありがとう』と『ごめんなさい』を言い合う習慣がない子が多いことです。

家庭は社会の最も小さな単位です。家族の間で幼少期から挨拶をし合う姿を見せ、子どもに知識を身につけさせることは、将来社会で『うまくやっていく』ための重要なポイントです。

はじめは『なぜ挨拶が必要か』を教える必要はありません。脳の高度な機能である前頭葉が育つ10歳以降になれば、自分で考え、挨拶を『人とうまくやっていく』ツールとして応用できるようになるはずだからです」