子どもが挨拶好きになるコツ

我が子の人見知りが激しい、挨拶がなかなか身に付かないなど、挨拶のしつけがうまくいかない悩みを持つママもいるでしょう。子どもが挨拶好きになるコツはあるのでしょうか?

成田「『教え込む』のはなく『見せて真似させる』ことです。子どもは『ミラーニューロン』という脳の機能を使って、親が行っている行動や言動をそのまま自分の脳に取り込みます。

ですから、親が率先してどんどん周りの人に挨拶をすることが大事です。

特に『ありがとう』『ごめんなさい』を夫婦の間でもきちんと言い合うことを日常の家庭生活で続けていれば、自然に子どもの脳に刺激を与え、知識として身に着けさせることができるのです。

ただ、先ほどもお伝えした通り、脳科学的に前頭葉の発達が完成するのは10才以降なので、それまでは親から言われたり、真似をして挨拶を行ったりして、それを大脳皮質に『知識』『情報』『記憶』として身に付けてはいきますが、本当に『自分の意思で考えて』行えるようになるのは前頭葉が完成してから、ということになります。

ですから、あまり小さいころから完璧を期待しても無理というもの。

大人は余裕を持って子どもをみていくことが大切です。思い通りに行動しない我が子に強制したり、叱ったりして挨拶させるのはまったくの逆効果。

失礼に当たる行動を子どもがしたら、親が代わりに挨拶して見せる、を繰り返しましょう」

もし今まで、うまく子どもに挨拶をしつけられていなかったという人は、一度夫婦や周囲との挨拶を見直してみると、そこに答えがあるかもしれません。

【取材協力】成田 奈緒子(なりた・なおこ)先生
小児科医・医学博士・文教大学教育学部教授。子育てに悩む親子のための新しい親子支援事業「子育て科学アクシス」代表。