リアルな暴力シーンが幼児に与える悪影響

同じく小児科アカデミーは、テレビやオンラインで暴力シーンを見ている子どもは、不安や悪夢にうなされることも多いと言います。

それが作られたドラマであっても、幼児には本当に起こっていることのように見えてしまいます。ニュースで実際に起こっている事件や事故や戦闘シーンを見るのと区別がつかないのです。

怖い映画を見た後、悪夢にうなされたということは、誰でも経験があるでしょう。

また、暴力シーンをよく見ている子は、攻撃的になり怒りの感情を持ちやすいとも報告しています。

暴力シーンを見た子どもは、気に入らないことがあったり、腹が立った時には、相手を殴ったり蹴ったりすればいいと思ってしまうかもしれません。それがこの社会のやり方だと思わせてしまうかもしれないのです。

もし、それが現実なら大人でも恐怖を覚えるというような、人が演じるリアルな暴力シーンは、幼児には見せてはいけないのです。

ヒーローものも暴力シーンがあるけど大丈夫?

子ども向きのドラマやアニメでも、少なからず暴力シーンはありますよね。

典型的なのは悪い奴をやっつけるシーンです。

筆者は、これらのヒーローものや登場人物が、明らかに実際には存在しない架空のものだとわかるようなものは、見せてもいいと思っています。

悪い奴をやっつけてくれるヒーローやヒロインは、言ってみれば正義の味方なわけですから、彼らが悪い奴を殴ったり蹴ったりしても、それは子どもに不安や恐怖を与える対象にはなりません。