『グローバル社会に生きるこどものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』の著者で、日本・欧米いいとこどり育児を提唱する平川裕貴です。
今日は、親が思っている以上に子どもは嘘をつくかも、というカナダの実験を参考に、子どもの嘘について考えてみたいと思います。
子どもの半数近くは「嘘つき」!? ショックな実験結果
カナダのブロック大学のアンジェラ・エバンス教授らがある実験をしました。
エバンス教授らは、8歳から16歳までの子ども118人にあるテストを受けさせました。
その時、ズルをしてはいけないと言い残して部屋を出て、ひそかに子ども達の様子を観察したのです。
不正の仕方は人それぞれ違ったでしょう。誰もが明らかにわかるように不正をしたとは思えませんが、注意深く見ればわかるでしょう。
テストの後、50人は、正直に不正をせず解答したことが明らかでした。しかし、49人は不正をしていたにもかかわらず「していない」と嘘をつき、9人が「不正をした」と告白しました。
半分以上の子どもが不正を働き、しかも嘘をついたのです。
日本人の子どもは、こんなにズルはしないよねと思いたいですが、監視の目がなくても、正直でいられる子どもは、果たしてどれくらいいるでしょうか?
一方で、ほとんどの親が子どもに「騙されている」
実は実験はまだ続きます。
その後、このテストの様子を映したビデオを、同じく8歳から16歳の子どもを持つ親152人、そのうちこのテストを受けた子どもの親80人と、子どもを持たない大学生に見せて不正を見抜けるかどうかを試したのです。
するとこのテストに全く関係がない人達は、予想されたより多く嘘を見抜くことができましたが、テストを受けた子どもの親の多くは、自分の子どもの嘘を見抜けなかったというのです。
子どもの嘘を見抜いたら、親としてはそれなりの対応をしなければなりません。でも、嘘を責めたりしたら、子どもに「私を信じてくれないの!?」と強く反発されるかもしれない。
親は子どもとの信頼関係が崩れてしまうかもと恐れて、嘘を見ないふりや気づかないふりをしてしまうことも多いのです。
もちろん、本当に信じ切っている場合もあるでしょう。
研究者は、親は他人の子どもの嘘は見抜けるが、自分の子どもの嘘を見抜くのは苦手なようだと言います。
「正直な子」と「嘘をつく子」の差は?
では、このように正直な子と嘘をつく子との差はどこから出てくるのでしょうか?