この実験で正直だった50人は、おそらく幼児期に親から嘘をついてはいけないと、しっかり教えられていた子ども達だと思います。
人が見ていようといまいと、してはいけないことはしてはいけない、不正は良くないと、きちんと理解できている子達なのです。
一方、嘘をつきとおした子ども達は、幼児期に嘘をついてもバレなかった経験をたくさんしてきたのだと思います。「やってない!」と嘘をついたら叱られなかった。今回の不正も嘘をつきとおしたら叱られないで済むと考えたのでしょう。
また、ズルをしていい点を取った時は親に褒められ、ズルをしないで悪い点を取ってしまった時は、厳しく叱責されたのかもしれません。
嘘をつくことのメリットのほうが大きければ、子どもはどんどん嘘をつきます。
子どもの嘘で、親子の信頼関係を崩さない方法
この実験で研究者は、親が子どもの嘘を見抜いて注意することで、子どもとの信頼関係が崩れてしまうと恐れているのではないかと述べています。
実際、子どもに甘い親は、何でも子どものすることを認め許すことで、自分は物わかりのいい優しい親で、子どもから愛されていると思い込んでいる場合もあります。
でも、これは大きな勘違い。嘘を見抜いて子どもを叱れば親子関係が悪くなるなどということはありません。
むしろ逆で、親に嘘をついてもバレない(親は自分の嘘を見抜けない)し、叱られないとなると、子どもは親をバカにし、信頼しなくなります。
そして、嘘をつくことで得をすると考えるようになった時点で、子どもは犯罪者への道を歩み始めるのです。
嘘をつかない子は、年収が高くなる!
以前『子どもが“高学歴・高所得”になる、親の特徴が判明!』の記事でご紹介した神戸大学の西村和男教授は、2013年に「年収が高くなるしつけがある」と発表していますが、その中に「嘘をつかない」というのがありました。
これは親の言うことを聞いたかどうかではなく、親から言われた記憶があるかどうかで調査した結果でした。
すなわち、子どもが言うことを聞こうと聞くまいと、「嘘をついてはいけない」と言い続けなければならないのです。
子どもの嘘に対しては、親がしっかり向き合わなければならないというのはわかっていただけたでしょうか?
嘘の見抜き方や取ってはいけないNG対応についても、また改めて詳しくお伝えします。
<参考>Mail Online