専業主婦の再就職はひと昔前は、厳しい現状があるといわれていました。今後、復職したいと考えているママにとっては、不安が大きいですよね。いま、どのような状況になっているのでしょうか?
主婦の再就職を支援するWarisワークアゲインのエデュケーションプランナーで、キャリアカウンセラーの島谷美奈子さんに、専業主婦の再就職の現状や成功談、アドバイスなどを伺いました。
専業主婦からの再就職は「今、追い風」でチャンス
一度仕事を辞めて専業主婦になり、子育てを終えていざ再就職。そんなとき、ママたちはどんな状況にあるのでしょうか?
島谷美奈子さん(以下、島谷)「再就職を目指す方には今、追い風が吹いています。少子高齢化により労働力人口が減少する中で、2016年に女性活躍推進法施行されたこともあり、女性人材の活用に注目が当たっているのです。
実際に、第1子出産後の女性の継続就業率は2000~2004年には34%でしたが、2005~2009年に46%、2010~2014年に52%と拡大傾向にあります。
弊社でも2013年創業時は、離職ブランクがある人材の活用には後ろ向きな企業が多かったものの、2、3年前からは『意欲があり能力がある方であれば、お会いしてみたい』と企業から言われるように流れが変わってきました」
専業主婦が再就職に成功したエピソード
再就職に成功した専業主婦のエピソードを、島谷さんに2つ挙げていただきました。
1.子どもが中高生になり、本格的な仕事復帰を目指す(40代主婦)
島谷「この方は、お子さんが中高生になり、本格的な仕事復帰を目指して何から活動を始めてよいか悩んでいたときに、Warisの再就職イベントに参加。
イベントでは再就職に成功した方々の再就職をするまでの苦労や、それをどのようにして乗り越えたか、実際に働き出してからの楽しさや大変さなどを聞くことができます。現実的なエピソードを聞いて、働くイメージがついたという方も多くいらっしゃいます。
この事例の方も再就職経験者の話を聞いて励まされ、翌年の再就職を決意しました。
翌年、Warisワークアゲインキャリアスクールに参加し、仲間と一緒に学びながら準備を行い、ベンチャー企業のバックオフィス職として再就職を果たしました。再就職経験者などの仲間がいることが大きな成功要因だったのではないかと思います」
キャリアスクールでは、どんなことが学べ、どんなサポートが受けられるのでしょうか?
島谷「キャリアスクールでは、ベンチャー企業のバックオフィス職として再就職を目指すために職種の理解、ベンチャー企業についての理解、ITツールの理解を進め、課題に取り組みながら、仕事復帰までに必要な知識の拡充をすることができます。
また、ブランクがあるからこそ気を付けたい応募書類の作成や面接突破術の講座もあり、3回のキャリアカウンセリングを通して個別に書類作成や面接対策も進めることができます。面接時のヘアメイクや服装のワンポイントアドバイスもしています。
講座はグループワークが中心のため、受講生同士の交流が深まり、同期として講座終了後も情報交換を続けている方が多いようです」
2.転勤帯同から首都圏に戻り、本格的な仕事復帰を目指す(40代 派遣社員女性)
島谷「この方はご主人の転勤帯同が終わり、首都圏に戻ってきた後、派遣で勤務中でしたが、業務内容に物足りなさを感じ、直接雇用で働きたいと、Warisワークアゲインキャリアカウンセリングを利用。
キャリアカウンセラーと話す中で、自分は調整力や業務改善力が強みであることに気づき、営業事務での再就職を目指しました。
数社に応募し、活動を始めて半年後に再就職が決定しました。これはキャリアカウンセラーとのやりとりの中で、自身の強みに気づいたことが一番の成功ポイントだったのでは、と考えます」
再就職を成功させるポイント2つ
成功談を聞くと、ポイントは一人で戦うよりも、仲間や専門家を上手に頼ることにありそうです。
専業主婦の再就職を成功させるポイントとして、島谷さんは、次の2つを挙げます。
1.主婦時代の経験を「その他の経歴」として記載する
島谷「主婦時代の経験を『その他の経歴』として履歴書・職務経歴書に記載すると、退職後に何をしていたのかの説明が採用側にしやすくなります。
ボランティアや勉強した経験なども、前向きさやコミュニケーション力を磨いた実績として積極的に記載し、紹介していきましょう」