各社で進む子連れ出勤。許可されていない会社に勤務するママは、うらやましく感じることもあるかもしれません。
実際のところ、どんなメリットや課題があるのでしょうか?
今回は3つの会社の子連れ出勤事情のリアルなところをインタビューしてお届けします。
クラウドファンディングメディア運営会社の子連れ出勤事情
クラウドファンディング「CAMPFIRE」を運営する株式会社CAMPFIREでは、子連れ出勤を許可しており、キッズスペースも用意されています。まだテスト段階だといいますが、どのような状況なのでしょうか?
実際、子連れ出勤をしている管理職のママ社員の方に、子連れ出勤のリアルについて語っていただきました。
――子連れ出勤制度について、どうとらえていますか?
ママ社員「制度があること自体はとても良いと思います。当社は社員も子育て・子連れ出勤に対して寛容的であり、子どもとも遊んでくれるため、とても助かっています。
子どもがぐずって保育園に行かない日や、小学生になった子どもが、保育園なら夕方まで預かってもらえるところを、夏休みで家にいるときなど、いざというときの手段として便利だなと感じています。
また、役員が率先して子連れ出勤を実践しているため、社員も連れて来やすい環境にあると思います」
――子連れ出勤について、課題に感じていることはありますか?
ママ社員「一つは通勤です。最近当社もフレックス制度になったことで時間をずらして出勤可能となりましたが、通勤ラッシュの中で乳幼児を連れて来ることはむずかしいと思います。
もう一つは、まだまだ設備については改善点があるということ。現状、遊ぶスペースやおもちゃは充実しているのですが、幼い子どもを待たせておく椅子やおむつ替えスペース、授乳スペースなどがなく、かつキッズスペースが社内の共用スペースにあるため、どうしても気を使ってしまいます。
一人で実践するのはまだまだハードルがありますが、同時に子連れ出勤をする仲間や常駐のベビーシッターさんがいれば打ち合わせの際など一時的に面倒を見てもらえるので、そこは今後、管理側として検討していきたいと考えています」
――子どもが業務の妨げになってしまうことはありますか?
ママ社員「子どもの年齢や性格にもよるので一概には言えないですが、実際100%仕事に集中することはむずかしいと思います。
PC作業一つで完結する日は子どもをずっと見ていられるのでいいのですが、打ち合わせなどが入っていると、席を外すことになるため、周りにも迷惑をかけたり、気を使ったりしてしまうことから、なかなか連れてくるのはむずかしいです。
一方で、物心ついたお子さんなどに対しては、仕事の姿勢を見せることで両親に対する尊敬につながりますし、教育に良いという側面もあると思います」
CAMPFIREの広報、加賀美実里さんに、会社としての今後の展望を教えていただきました。
加賀美実里さん「現在、東京オフィスに加え、宮崎や福岡オフィスもあり、各所にキッズスペースを置いています。今後は会社として統一した制度や環境を完備、提供していきたいと思います。
また、同じビルのテナント同士で共同のキッズスペースを作れたらいいと考えております。複数社が協力することによりベビーシッターさんの人数や、育児に必要なスペースを確保できるため、より社員が安心して、働きやすい環境作りができます」
子連れ出勤は、役員が率先して行うことで、社員も子どもを連れてきやすい環境ができるようです。まだテスト段階ゆえに、環境面に課題はあるものの、理解のある職場であることから、充実していきそうですね。