雨雲さえ演出する奇跡の歌声が響く…土岐麻子

2番目に登場したのが土岐麻子さん。Negiccoの『矛盾、はじめました。』作詞を担当されています。

この日はドラム、ベース、キーボードという編成。叙情的なキーボードを、ドラムとベースのリズム隊が支えるサウンドはとってもムーディー。

一曲目の『BOYフロム世田谷』が終わると、MCで「みなさんが見たことのない動きしてくださって!バンドやソロでは見たことのない動きです」と。どうやら人生で初めてケチャを受けられたようです(笑)。

そうそう、このあたりでこの時点で完全に空は晴天。土岐さんも「晴れましたね!Negiccoさんたちの行いがいいのかな」と。いやぁ、Negiccoの晴れ女パワーすごい!

ここで「雨だったらやらなかった」、というしっとりした楽曲。透き通った歌声のNegiccoにいつか歌ってほしい、と語られてからの『きみだった』。

あたりを包む蝉の声も、会場の皆さんのざわめきも、全ての音が土岐さんの音楽の一部のよう。

続いてはカバー曲。斉藤由貴さんの『青空のかけら』を披露。これにはベテランアイドルファンの皆さんから大きなどよめきが起きていました。

さらにNegiccoといえば新潟ということで、新潟民謡の『佐渡おけさ』を。この音楽性の幅広さ!

歌い終わってから「もっとやれる気がします。来年も呼んでくださいね」と。うーん、来年もぜひいらしてほしいですね。

このあたりで空は曇ってきて、雨がポツポツ。ステージ上の土岐さんは、『矛盾、はじめました。』の作詞秘話を語ってくださいます。

土岐さんが、現在のNegiccoくらいの年齢のときにあった、実体験が元になっているそう。あの矛盾しているようで、だからこそリアルな歌詞は、実体験だからこそ出せるテイストなのかもしれません。

もちろんこの流れで、作詞したご本人が『矛盾、はじめました。』を披露。ソロで歌うので、追っかけで歌う部分はお客さんが担当します。

土岐さんは、当時を思い出しながら、しっとりと慈しむように歌います。ここで雨が本降りになり、あたりは薄暗く、落ちてくる水滴でなんだかひんやり涼しくなって…。

まるで『矛盾、はじめました。』を演出するかのように天候が移り変わっていきます。

最高のムードが出来上がっていくステージを見ながら、思わず鳥肌が立ってしまいました。こんな奇跡のような瞬間、滅多にないと思います。

 

Negiccoを招き入れてのコラボ曲は、『Gift~あなたはマドンナ~』。土岐さんいわく「Negiccoにはシュペリエルなものを感じるので」とのこと。確かに、一年ごとに魅力を増していくNegiccoは、歌詞にもあるように「時を重ねて磨かれていく奇跡」があります。

土岐さんのような大人の女性をお手本に、これからもっともっと美しく成長していってくれることでしょう。