3歳までに脳は成人の90%ほどの重さになると言われています。更に0歳の時代はたくさんの刺激を受けていると言われています。けれども、自分でまだ喋ることのできない赤ちゃんに対して、ママはどんな言葉をかけたらよいのでしょう?
『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者の立石美津子がお話します。
先日、ある保育園で講演をしてきました。講演会終了後、保護者からこんな質問を受けました。
「“褒めて育てるとよい”とよく本に書いてありますけれども、何をどう褒めたらいいんですか?まだ言葉を話すことができない自分の子ども相手に何をしてあげたらよいのかわからないんです」という質問でした。
そのママの子どもはまだ0歳3ヶ月、寝たり起きたりの状態で、同じ0歳児でも、9か月くらいの0歳後半の頃の赤ちゃんと比べて無反応な時期でした。
無反応でも吸収している
生まれて半年くらいは“おっぱい飲んで”“おしっこして、うんちして”“寝て、起きて”“またおっぱい飲んで”の単なる繰り返しです。
はいはいをして、自分で場所を移動することも出来ません。玩具で熱心に遊んだり、絵本を読んでほしいとせがんだりするわけでもなく、また何を与えても、ただ受け身で見ている状態です。
けれども、目の動きや身体の反応をじっくり観察しているとわかりますが、言葉を喋らなくても、大人の反応を見て、色んなことをインプットしているのです。
こんな言葉をかけてみよう
授乳の後
例えば、授乳の後こんな風に言葉をかけてみましょう。
- 「美味しかったね」
- 「お腹いっぱいになったね」
- 「今日は暑いから一気に飲んじゃったね」
残したとき
- 「お腹がいっぱいだったのね。もう少し経ってからミルクの時間にしようね」
- 「あと半分残っているけど“ごちそうさま”なのね」
オムツを替えるとき
- 「濡れて気分が悪かったね。今、替えてあげるからね」
- 「さっぱりしたね」
- 「ウンチがたくさん出てお腹がすっきりしたね」
着替えさせるとき
- 「汗、たくさんかいたから新しい服に着替えようね」
- 「今からお散歩に行こうね。外は寒いからもう一枚着ようね」
沐浴のとき
- 「お風呂は気持ちがいいね」
- 「温かいね。気分がいいね」
このようにママ自身がやっている行為を口に出して、まるでアナウンサーのように実況中継しましょう。
はたからみたら一人芝居のようですが、赤ちゃんはしっかりママの声を受け止めています。
そして、自分の存在を親に認められることを通して「自分は大切にされている。忘れられていない」と感じることが出来ます。と同時に、「この世が安心できる世界である」ことも実感できます。
愛着形成するためには大人からの話しかけは欠かしてはならないものなのです。