『不機嫌なアンドロイド』の合間合間にシャラクが「ただいま」と言うのが印象的だった。
間奏でフクスケがテルミンを奏でる。一方、リウはベシベシとスラップを響かせるのだが、宇宙空間を彷徨っているような不安定なテルミンの音と、ロックなベース音が調和して、不思議な感覚が呼び起こされるのだ。
このように、ギターやベースといった一般的なロックバンドが使う楽器のみにとらわれないメトロノーム。
『thank you for my everyday』では、ボコーダーや電子ドラムなどを使用。テクノバンドの一面も見せてくれた。
ピコピコしたサウンドを押し出した『コンピュータ』では、メンバーが左右そろえてかわいらしくステップを踏む。
大きなライブハウスでライブをするたび、「よっ! ●●(ライブハウスの名称)クラス!」とファンにかけ声をかけさせたがるシャラク。
そんなシャラクが今回ファンに要求したかけ声は「よっ! Zeppクラス」かと思いきや……。
シャラク「オイラは言ってほしいことがあるんです。9月21日、キングレコードから『解離性同一人物』という曲が発売されます。『よっ、メジャーデビュー!』って言って!」
フロア「よっ、メジャーデビュー!」
シャラク「なんと、楽屋のケータリングが昼はバイキング、夜はハヤシライス!」
フロア「よっ、メジャーデビュー!」
メジャーデビューと呼んでもらえて、満足げなシャラクを観ているファンまでうれしそうだ。
「(7年前の)当時、みなさんにもいろいろと迷惑をかけることがあり……」とも語ったシャラク。
気分にムラがあるのが観客にも伝わってきたことは、当時のライブに通っていたファンならば分かるかもしれない。しかし、今回シャラクは「大人になりました」と、はにかみながら反省の言葉を語っていた。
そんなシャラクの“人間臭さ”も含めて、ファンはメトロノームを愛しているのだと思う。