イズミルは大変な役どころで、私も自分のことでいっぱいいっぱいではあったけど、稽古場にいたときから、お2人が葛藤しているところを見たり、感じたりしていたから。
だから、本番が始まって、自分たちのイズミルをどんどん作り上げていくのを感じたとき、すごく素敵だなって、お2人に対して思いました。
今回、『王家』のカンパニーで、一番最初に私が心を開いたのは元基さんだったんです。その後マモさんが、前回話したみたいに色々な話を聞いてくれるようになって。
2人の間で、私に対しての役目をコントロールしていたみたいなんです(笑)
「マモ君は、ちゃんと佐江の目線で見てあげるじゃん。でも俺は“大丈夫、大丈夫”しか言えないから。マモ君は偉いと思う」って、元基さんがずっと言ってました。
2人といるのが楽というか、すごく楽しいというか。笑いもあるし、深いこともすごく話すし、教えてくれるし。年が離れていて経験もない私を、仲間に入れてくれることが本当に有り難いなって思うんです。
キャリアも、元基さんはミュージカル界で5年くらい、マモさんは子役のときからと長いんだけど、2人とも“ずっと自分に問いをかけて、研究しているところ”が、すごいと思うんです。
元基さんは、ミュージカルを5年間、数えきれないくらいやっていて。今年1年間で何本もやるとか…。『王家』をやっているときも、次の舞台の稽古に行ったり、さらにその次の舞台の稽古に行ったりしていたくらいで。
そんなにたくさんやっているのに、まだミュージカルに対して、“いい意味”の“慣れ”を感じていない姿勢が、私はすごく好きなんです。
“元基さんみたいに、すごい人でも悩むの? ”っていうくらい、元基さん、いつも悩んでいるから。。 悩みながら、役を作っていくというか。
多分、やろうと思えばサラッとできてしまうことでも、そうせずに、困難な道を自ら選ぼうとするところが、すごくカッコよくて。
元基さんも、マモさんも、似ているようで似てない。そこをお互いがすごく尊敬していて、“俺にないものを持ってる”って、お互い話せていて…。ご飯食べてるときだったから、2人とも酔っぱらってたけど! あははははは(笑)
そういうのがカッコいいなと思うんです! 間近で聞かせてくれるのも優しいなと思うし。きっと、男同士でしゃべりたいと思うんです。
もちろん2人で話すこともあると思うんですよ。でも、何かあると「ご飯行くけど、一緒に行く? 」って、いつも誘ってくれて。“お邪魔してゴメンなさい”って、稽古中からずっと思ってました。
ーー同性として出会ってたら、また違う関係ができていたかもしれませんね。
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