慣れないときによく同じ「抗リン脂質抗体症候群」で自己注射をしていた妊婦さんのブログを読んでいたのですが、

皆さん必ずと言っていいほど
『どんどん打つ箇所がなくなる』と書かれていました。

ワタシも同じく『こんなん妊娠36週までとかマジ無理…もう限界…』と途方にくれていました。

そんな時に、あることがワタシを救ってくれたのです。

赤ちゃんからの応援

それは、妊娠5か月目の19週に入ったある日、赤ちゃんの胎動を感じたことでした。

ずっとエコー検査でドキドキしながら胎児の無事を確認し、成長に問題がないとホッと胸をなでおろし
「よかった…無事に生きててくれて…どうかこのままお腹に居てね…」と喜びよりも不安が拭い去れない妊娠生活の中で、

「ポコン!」

とお腹に元気な感触を受けると、途端に、
「そうか、毎日この自己注射治療をしてるからこの子はここまで大きくなってくれてるんだ…!」
って基本的なことに気づいたんですよね。

初めて、自分の苦痛や困難はダイレクトに赤ちゃんの命をつないでくれている大切な行為なんだと気づき、
ストンと腑に落ちたワタシは、
その日からお腹の赤ちゃんに
「は~~いお注射の時間ですよ~~しっかりキミに血が行くようにお薬入れるからね~~☆」
なんて声をかけながら笑って注射をするようになりました。

すると次第に肩の力が抜けて上手く刺せるようになり、治療開始から100本を超える頃にはいい加減手先も慣れてきて(笑)注射跡が青アザになったりシコリになったりすることが自然と少なくなっていきました。

それでも辛くなったときは、旦那に
「今から注射打つからそばで見守ってて!無事に終わったら全力で褒めたたえてくれ!頼む!!」
とお願いし、何百回も旦那に褒めたたえてもらい…(笑)


結果、出産直前までの228日間、毎日2回ずつで合計456本の自己注射を完遂させられました!!

(ちなみに自己開発した注射のコツは、『右はら→左はら→右太もも→左ふともも』の順番を徹底して守り、アザやシコリを上手く分散させて皮膚面積を確保すること、という非常に地味な戦法ですw)

もう妊娠後期なんか、ムスコがお腹からめっちゃボコンボコン蹴られてるトコにでも打てるようになりますからね!
慣れってスゴイですね!!

きっと2人目を妊娠した時も同じ様に400本以上の自己注射が待っていることは確定ですが、
もはや注射マスターになった気分のワタシなら「過酷だけど必ず乗り越えられる治療」としてまた前向きに挑めることを自信をもって確信しています。

あ~~かぁちゃんのタメならエ~ンヤコラ~~~♪(古)

(※ちなみに治療内容はあくまで当時のワタシの場合の話です)


つづく

>> 第10話(妊娠出産秘話-5-)

 大手出版社から単行本を数冊発表し、現在は休業中の(元)漫画家。アシスタント業をメインにしながら、主婦業とお母さん業でも大忙しの毎日。夫である鈴木妄想とオタクトークで燃え上がるのも日課。息子の笑顔と各国アイドルのPVを見て癒されている。

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