女性が自身のキャリアを考えるにおいて必ず話題として上がってくるのが「妊娠」そして「出産」。
女性のキャリア向上に向けて国や企業も様々な対策を取っています。
しかし”女性の出産後継続就業率は26.8%、出産退職は43.9%”(厚生労働省ホームページより)と、まだまだ多くの女性が、出産を機に一旦キャリアに区切りをつける傾向があると言えます。
とはいえ、「育児が落ち着いたら再び働きたい!」と考えている女性は多いもの。
今回は、育児ブランク後に再就職をした女性の特徴や、再就職の傾向に関して、インテリジェンス人材紹介事業部でゼネラルマネージャーを務め、自身もニ児の母である川嶋由美子さんにお話をお聞きしました。
出産を機に退職する人にはどんな共通点がある?
――厚生労働省の発表によると、まだまだ女性が出産を機に職場を離れるという傾向が多いようですが、そのような選択をする女性には何か共通点があるのでしょうか?
私が日々、多くの方々と接していて感じるのは、出産を機に仕事を辞める女性に共通点がある、というよりは、職場環境に共通点があると感じますね。
世間的に女性の社会での活躍が取り沙汰されているとはいえ、職場によっては、「妊娠したんだ!じゃあ仕事は辞めるんだよね?」という雰囲気が当然のようにあるところもまだまだあるように思います。
もちろん、妊娠や出産を理由に解雇するなどということは違法なので、さすがに現代でそのようなことをする企業は稀なのですが…。*注
職場の方々も悪気があってそういった雰囲気にしているというよりは、それが今までの通例だったので、その雰囲気に疑問を持っていないという場合が多いです。
そうなると、その職場にはすでに出産育児を終えて職場復帰しているような先輩ママもいないですし、出産を控える女性自身が育児後に復帰し、その会社でどう働くのか?という未来が描きづらいのですよね。
こういった職場環境から、一旦キャリアに区切りをつける女性は多いですよ。
*注) 妊娠・出産や、それによって仕事がはかどらなかったり休みを取ったり、フレックスタイムで通勤したことなどを理由に、解雇および不利益な扱いをすることは禁止されています。
妊娠中・産後1年以内の解雇はこうした理由以外を会社が証明しない限り、無効となります。雇用契約の更新をしない、降格なども不利益な扱いになります。(男女雇用機会均等法第9条)
――なるほど、個人に共通点があるというよりは、置かれている環境によるものが多いのですね。業種などでは何か共通点があるのでしょうか?厚生労働省の調査だと、一般的に離職率が高いのは小売業や宿泊・飲食サービス業であると発表されていますが…
はい、確かに一般的な離職率と等しく、サービス業の方々は他の業種に比べて、出産を機に仕事を辞める選択をされる方が多い印象ですね。
やはりサービス業は休日が不定期だったり、仕事をする時間帯が昼夜問わずバラバラだったりということが多いので、子どもがいるとなかなか働きづらいという現状があります。