夫の仕事や家族構成の変化により、引っ越しを考えることは多いと思います。
特に赤ちゃんや思春期の大切な時期を迎えている子どもを抱えながらの引っ越しは、子どもの環境のために考えなければならないポイントが多く、神経も使うことでしょう。
家族全員が満足いく賃貸物件を探し出すことは至難の業ですが、ここでは夫の通勤などは一旦置いておき、子どもの成長別に考えるべきポイントを、お客様アンケートを元に宅地建物取引士である筆者がご紹介していきたいと思います。
「物件探しで重視するポイント アンケート」
※アンケート対象者:賃貸物件を探す、赤ちゃんから高校生の子どもがいる家庭
0歳~6歳(未就学児)
- ベビーカー置き場の確保
- 収納スペースの確保
- ベビーゲート設置の可否
- フローリングであるかどうか
- スーパーやコンビニまでの距離
- 騒音対策
- 待機児童数
これは赤ちゃんに近いお子さんをお持ちの人に特に気にして頂きたいことが、「ベビーカー」の置き場所です。
置き場所がないからといって共用廊下に置くことは「違反行為」にあたります。共用部分は全入居者が「共有」する場所だからです。
玄関内に置くと、入退室の際にとても邪魔になりますから、ベビーカー置き場の確保は重要だと言えますね。
そして、同じくらい重要なのが「収納スペース」と「ベビーゲート設置の可否」と「騒音対策」です。
赤ちゃんは粉ミルクやオムツ、おもちゃやお出かけ用品など、小学生の子どもよりは荷物が多くなります。
収納スペースは室内㎡数の10%がベストだと言われていますが、赤ちゃんの場合は15%あると便利でしょう。
ベビーゲートについては、特にキッチンに設置可能かどうかのチェックは欠かせません。
食事を作りながら子どもの様子が見られるオープンキッチンでありながら、ベビーゲートが設置できる環境であればベストだと言えます。
騒音対策についてですが、1歳半くらいから未就学児の子どもは特に注意が必要です。
特に朝方や夜間の騒音は、上下階の入居者同士のトラブルとなり、解決しない場合は最悪の場合、退去を迫られるケースもあります。
ですから、できたら1Fを選ぶか、もしくは防音床が採用されている物件を選ぶようにし、さらには、他の入居者も同じような家族構成であれば、お互いの理解があり住みやすくなりますからなお良いと言えるでしょう。
その他、スーパーやコンビニまでの距離については言うまでもありませんが、赤ちゃんを抱えながらの外出は出かけるまでの準備と、外出中の赤ちゃんの世話など大変なことが多いですから、近いに越したことはありません。
また、食べ物や飲み物をこぼしたりすることが多い赤ちゃんや幼児には、こぼしてもサッと拭き取れるフローリングがおすすめなのはお分かり頂けることでしょう。
そして、最も見落としがちなことが、地域の「待機児童数」です。
妊娠出産前から仕事をしていた人は、事前に気にすることかもしれませんが、妊娠と共に退職をし、子育てが落ち着くまでは子育てに専念しようと考えている人は意外に気にしません。
しかし、社会情勢がめまぐるしく変化している現代では、夫の仕事がこの先どうなるか分からず、いつ何時妻が仕事をしなければならなくなるかは分かりません。
そんな時、働くためには子どもを預ける場所の確保が必要になります。
その地域の待機児童数がどれくらいなのか、行政がどれくらい待機児童対策に力を入れているのかは、気にするべきポイントとなるでしょう。