子どもの貢献に注目して声をかけることが大切

例えば、子どもが電車の中でおとなしくしていたとします。そんなとき、「静かにしていて、えらいね」と声をかける親もいるでしょう。

しかし、これは先ほどの例と同じくほめられないと適切な行動ができなくなることにつながります。また、電車の中で騒がず座っているというのは本来当たり前のことなので、それを大げさにほめるというのは子どもを対等に見ていないことになります。

こんなときに必要なのは、「静かにしていてくれてありがとう」などと、子どもの貢献に注目して声をかけることだといいます。

子どもは親から注目されるために、最初はいい子になろうとしますが、親がそのことに気づかなかったりすると、わざと問題行動を起こして叱られようとします。

ですから、親は子どもにそのどちらもしなくてもいいということを教える必要があるのです。静かにしていれば他人に貢献できるということがわかれば、子どもは大人を困らせるようなことはしなくなります。

子どもへの余計な干渉が親子関係を悪くする

あらゆる対人関係のトラブルは他人の課題に土足で踏み込むことから始まるといいます。それは親子であっても同じこと。

たとえば子どもがいつまでもゲームをしていたり、テレビを見ていると、つい「勉強しなさい!」「宿題は終わったの?」などと言ってしまう人も多いでしょう。

しかし、そもそも勉強することは子どもが自分で取り組むべき課題であり、成績が下がったとしてもその責任は自分がとるしかありません。親だからといって、子どもの課題に介入することはできないのです。

子どもが自分で何とかしなくてはと思っているところに、親から「勉強しなさい」と言われると、たいていは「うるさい」「ほっといてくれ」と思うでしょう。大人が他人から自分の課題に介入されるのが嫌だと感じるのと同じです。

理論は理解できても、それを実践するのは難しいと考える人もいるかもしれません。しかし大切なのは、子どもとこれまでとは違った方法で接してみようという勇気を持つことだといいます。

新しい考え方を受け入れるのは簡単ではありません。

しかし子どもとの関係をよりよくしたいと考えるなら、思い切って取り組むことで、子どもだけでなく、自分自身にも大きな変化を感じられるのではないでしょうか。

ライター。音楽系の出版社で6年間勤務した後、かねてからの目標であったアメリカでの短期留学を果たし、現地でフリーペーパー制作のボランティアを行う。帰国後は、実用書を扱う出版社にて女性エッセイや心理本などの編集を担当。その後、ライターとしての活動を始める。北欧のヴィンテージ食器が好き。