言葉を何をするためのツールとして使うかがカギ!

子どもが多くの質問を投げかける家庭では、逆に親から子どもへ質問する機会も多いのだそう。

つまり、多くの質問を発する高所得層の子どもは、親の自分に対するコミュニケーションを見て、問いかけの方法や議論することの面白さを学んでいると言えます。

「親がたくさん質問をする家庭では、親が子どもの発言に応じ、それをふくらませてさらに話し合う光景が見られた。あまり質問をしない親は、“いけません”、“よしなさい”といった禁止の言葉を多用する傾向が多かった。」出典(子どもは40000回質問する』 著・イアン・レズリー)

と、イアン・レズリーさんが言うように、子どもの質問の多さには、親の子どもに対する言葉がけの違いが影響しているようです。

高所得層の親が言葉を“情報交換や好奇心を満たすための手段”として使用しているのに対し、低所得層の親は言葉を“子どもを管理する手段”として使っています。

高所得層と低所得層との間に、子どもへの言葉がけの差が生まれてしまう理由としてイアン・レズリーさんが言っているのは、

「自由な答えを引き出し、知性を伸ばす問いかけは、生存に必要なことが満たされたあとで初めて可能になる営みである」出典(子どもは40000回質問する』 著・イアン・レズリー)

というもの。

確かに、私たちも自分に余裕がない時などは子どもに対して制止したり、管理しようとする言葉を投げかけてしまいがちですよね。

もちろん、現在の家庭の経済状況などはすぐに変えられるものではありませんが、親の方から意識的に子どもに問いかけすることにより、言葉で何かを表現したり、議論したりする機会を与えることは行っていくことができそうですね。

子どもの鋭い質問にも、「あぁ今この子の知的好奇心が育っている途中なんだ」と考えると、問いかけに対する受け答えにも余裕が生まれ、たくさんの知識をどんどん吸収していく子どもと会話することが楽しくなっていくはずです。

イアン・レズリーさんの著書『子どもは40000万回質問する』は、今回紹介した経済格差と学力格差の因果関係などについての記述の他、知的好奇心の育て方など子育てで参考にすべき内容に溢れた一冊。

また、好奇心を持ち続けるために必要なことなど、親自身がこれからの人生を楽しんで生きるためにも知っておきたいことも満載です。

ぜひ手にとって好奇心の持つ力を探って見てはいかがでしょうか。

ライター&エディター。マーケティング、広告関係の職種を経て、出産をきっかけにライターに。現在は女性向けや子育て関連等のwebメディアでライター、エディターとして活動し、2歳児のマイペースな息子にのんびり育児を実践中。猫と焼肉とビールをこよなく愛するテンプレート小市民。