2日目(26日)
一夜明けて、イベント2日目である。土曜日ということもあり、満員御礼のソールドアウト公演となった。
この日の出演バンドはNOCTURNAL BLOODLUST、アルルカン、メトロノーム、Plastic Tree、そしてMUCCだ。
NOCTURNAL BLOODLUST
始まる前から熱気の篭ったフロアの中、先陣を切るのはNOCTURNAL BLOODLUST。昨年につづいて2度目の出演となる。彼らもこの1年、海外ツアーやLOUD PARK出演など、様々な舞台で活躍してきた。今日のステージにも気合いがみなぎっているはずである。
幕があがるとNatsu (Dr)のみがステージにスタンバイしており、SEにあわせてリズムを繰り出す。意外な演出に唸らされる。
Daichi(G)、Masa(B)、Cazqui(7-strings ※G)、そして最後に登場した尋(Vo)が「おっぱじめようか!」と叫ぶ。1曲目の『Punch me if you can』からバンドのテンションはマックスだ。
「COMMUNEの皆さん簡単なコール・アンド・レスポンスです、口パクは禁止だぞ! 腹から声出せ!」と『I-V-III』へ。フロアの方々でモッシュが発生し、「緊張してるのかお前ら? 緊張するのは街中で本命を見たときだけにしろ!」と、尋のいかついルックスとは裏腹(?)のコミカルなMCで和ませ、「早速ですけど大運動会を始めたいと思います!」とWoDを先導する。フロアはカオスに、そして観客の熱気も上がっていく。
「初めての人も多いと思うんですけど、NOCTURNAL BLOODLUST、略してノクブラと申します!」と挨拶する尋。
「後輩が偉そうな口をきけないんですけど、言いたいことがあって。最近対バンする機会をいただき、ツアーで差し入れも頂いて、嬉しかったんです。仲が深いわけではないけど、これからどんどん広がっていくと思っていたんで、俺たちは待っています。COMMUNEは先輩と後輩が戦う場所だと思うんで戻ってきたら対決してください」とlynch.に対してメッセージを送ると、大きな拍手で迎えられた。
「このわがままボディがいくらでも気持ちを受け止められるんで、後半戦いくぞ!かかってこい!」と『銃創』へなだれ込む。
『Malice against』、『T.Y.R.A.N.T』、『GENESIS』と畳み掛け、ラストの『V.I.P』がスタートすると、景気づけといわんばかりにパーティー用の大型クラッカーを炸裂させるCazqui。サークルモッシュ、ヘドバン、様々なノリ方で楽しむフロアも印象的だった。
「真剣勝負」という言葉が似合うステージだった。
【セットリスト】
01. Punch me if you can
02. I-V-III
03. 銃創
04. Malice against
05. T.Y.R.A.N.T
06. GENESIS
07. V.I.P
アルルカン
続いては本イベント初出演となるアルルカン。結成3年目、今回出演するバンドの中では最も若手になる。近年のシーンの中で最も〈対バンキラー〉と呼ぶにふさわしい彼らだが、強者ばかりのこのステージでどんな勝負を挑むのだろうか。
幕が閉じたまま「シーッ」という暁(Vo)の声がフロアに響く。「二番手、アルルカンです、よろしくお願いします」という丁寧な挨拶ののち、堕門(Dr)のカウントから始まったのは先日リリースされたばかりの『カルマ』。ミドルテンポの楽曲からのスタートに意表をつかれる。
一転してハードかつメロディアスな『墓穴』では「見たいように見て!聴きたいように聴いて!」と叫ぶ暁。続いてアッパーな『ハッピーセット』、『omit』で勢いづいていく。コーラスも兼ねている祥平(B)が「行くぞ東京!」と叫ぶ。來堵(G)、奈緒(G)のギター隊も負けじとステージ上でアピールする。
「今日はこのイベントに呼んでいただいてとても光栄です、嬉しいです」という暁の言葉に拍手が起きるとそれを「あ、大丈夫です(拍手は)いらないです。僕が喋ってるんで」と遮り、「嬉しいですけど、その気持ちを一旦奥にしまって、今の自分たちを見てもらいたいと思っています。皆さんもわざわざ『がんばってるねぇ~』みたいな発表会を見に来たわけじゃないでしょう。僕たちも、お前らをその気にさせるためにここに来ました」と宣言し、尖った一面も見せる。
「生意気なことを言ってるのは承知ですが、ここで出来なかったらもう次はないと思います。先輩たちが戻ってきたときも、絶対戦いたい。僕たちは本気です」と語ると、先程と比べものにならない大きな拍手が巻き起こった。
そしてバラード『胸の内側に宿る息』を堂々と歌い上げ、『「私」と”理解”』で再びアグレッシヴなアルルカンを見せつける。
「どうしてもお前たちを本気にさせたい。だから、こっちのネジを外そうと思います、お前らの頭のネジも一本残らず外してやるよ!」と、ラストスパートをかけるように、彼らのキラーチューンである『像』。最後はこれも鉄板曲である『ダメ人間』を叩きつけ、後輩という立場に甘んじないポテンシャルを発揮した。
暁の「また絶対、生きてるうちに会いましょう」という言葉を残してアルルカンのステージは幕を閉じたのであった。
【セットリスト】
01. カルマ
02. 墓穴
03. ハッピーセット
04. omit
05. 胸の内側に宿る息
06. 「私」と"理解"
07. 像
08. ダメ人間