3:ほかの家庭を基準にしない
浮気や不倫は特殊な出来事であり、離婚するかどうかの判断に迷うと「ほかの家はどうなのだろう」と自分と似たケースを経験した妻に話を聞きたくなります。
再構築であれ離婚であれ、いろんな可能性を知ることは大事ではありますが、「許せなくて離婚した」と聞き「やっぱりそうだよね」と安易に同じ道を選ぶのは危険です。
家庭の状況はひとりひとりちがいます。ほかの家庭を基準にしても、本当は夫が心底反省してやり直したがっているならそれを無視するのはNGです。
「浮気を許したって周りに思われるのが嫌だから」と離婚を選ぶ女性もいますが、世間体や見栄を優先して夫婦の問題を解決しても、再構築を望んでいた夫は一方的に置いてけぼりになり、決して納得のいく終わりとはならないのが現実です。
ほかの家庭を基準にするのではなく、あくまで「自分たちのこと」として問題を捉えるべき。
夫の不貞を許せるかどうか、やり直せるかどうかを自分の気持ちで考え、その答えに従って今後のことを決めるのが、悔いのない選択だといえます。
4:「どこもそんなもの」に惑わされない
古い価値観を持つ人たちの中には、「どこもそんなものだから許すべき」「よくあることでしょう」など、“夫は浮気するものと心得るべき”と説いてくることがあります。
「夫の不貞を許すのも妻の仕事」などと言われると、それを理由に離婚に踏み切る自分が未熟者であるかのように感じますが、そうではありません。
夫婦は対等な関係です。
浮気や不倫は夫婦の信頼を裏切る大きな出来事であり、本当に許せないのであればそれを通すことを他人に責められるいわれはない、と心得ましょう。
「離婚は悪いこと」「何が何でも夫婦関係を続けるのが正解」と思いこむのは、自分を追い詰めます。
妻だから、女性だからと我慢することは決して美徳ではありません。
本音ではやり直すことは難しい、これから一緒に過ごす未来をどうしても思い描けないのに、無理に夫婦を続けても幸せになれるでしょうか。
妻の気持ちを犠牲にして成り立つのではなく、お互いに尊重しあう心を大切にできることこそ、健全な夫婦関係には欠かせないことを、もう一度考えてみましょう。
*
夫の不貞について離婚するべきかどうかの相談は本当によく受けますが、「自分の気持ちに素直になってもいいのかどうか」に葛藤する姿が透けて見えます。
夫婦という形に縛られすぎて、やめることに罪悪感を覚えたりやり直したくても夫の顔色ばかりうかがってしまったり、自分の感情は後回しになるのですね。
ですが、忘れてはいけないのは「どんな道を選んでもその責任は自分にある」という現実です。
後悔のない選択をするには、まず自分の正直な気持ちから逃げないことを肝に銘じておきましょう。