「来年武道館やるんでしょ?」やんねーよ(笑)。
――来年は10周年ですが、たとえば「10周年で武道館やるぜ!」みたいなことは……。
海:やんないっすね(キッパリ)。
――即答でしたね。
海:これはハッキリ言えます、やらないです。
すげえ言われるんですよ。ファンメールや手紙、業界の人だけでなく、果てはバンド関係ない友達からも「来年武道館やるんでしょ?」みたいに。やんねーよ(笑)。
――バンド当事者よりも、周りの方が期待するというのはなんとなくわかります。
海:2年前に「10年目にやるかやらないか」という話は出たんですよ。7周年でやらなかったので。
――vistlipは07年7月7日に結成されて、7にこだわりが強いバンドということは有名な話ですね。
海:当時、お客さんが来てくれるか、形になるか、いいライブができるか、という問題ではなくて、極論「今やっても無理だな」って思ったんです。
「まだ武道館が似合うバンドではない」という判断でした。
――周年にこだわる必要はないと。
海:っていうかあのときにやってたら「恥ずかしいね」って思いますもん。「記念でやりました」みたいになるし、そりゃあ来てくれた人は祝ってくれるだろうし、ライブも良かったねと言ってくる人もいるかもしれない。いつだってそれだけのものを見せるつもりはあるけれど。
客観的に自分たちを、他のバンドとしてそのライブを観るとしたら、「7が大事なバンドで7周年だもんね」って観るライブになってしまうと思ったんです。「来年も続けてやれるか?」というと「無理でしょ」と思われる。
じゃあ10周年でやるか? という話になったときにも意見が別れたけど、結局「周年でやる」みたいなのは違うんじゃないかと。
「次のライブどうしよう」ってなったときに必然的に「武道館きろうぜ」ってなったらいいんですけど、ウチのバンドは結果から追い求めると絶ッ対失敗するんですよ(笑)。
衝動で、結果がわからない状態で進めていった方が結果うまくいくんです。最初からここでこうしましょう、みたいなのは……。
――うまくいかない、つまり結果を逆算していくタイプではないと。
海:気分屋の集まりなんで、一歩踏み出した瞬間に全員の気が変わることが多いんですよ(笑)。
――予定調和が苦手なんですね。
海:駄目なんですよねぇ~。最近周りからは「すごい真面目になって落ち着いた」と言われるんですけど、馬鹿の集まりなんですよ。優等生じゃないんです。
――では来年の予定はまだわからないと。
海:そうですね、でも多分来年はフルアルバムは出しますし、7月7日は何かやりますので、開けといてください(笑)。
INFORMATION
かつて、ネット上のみで展開し、大人気を博したオリジナル映像「ROUGH the vistlip」。
今では、毎回彼らのCDの初回生産限定版にのみ収録され、一般には公開される事のない貴重映像が、
今回、「ROUGH the vistlip mini」として約7年振りにYoutubeで復活!