ちなみに、多くのママたちは、どんな出産祝いをもらっているのでしょうか?

ベビーカレンダーが2018年3月に実施したアンケート調査結果によれば、「ママたちがもらった出産祝いランキングTOP10」は次の結果となりました。

第1位 お金・商品券 96%
第2位 ベビー服 92%
第3位 スタイ・よだれかけ 77%
第4位 おもちゃ 62%
第5位 タオル類 54%
第6位 おくるみ・ブランケット 47%
第7位 赤ちゃん用食器・食事グッズ 42%
第8位 おむつケーキ 41%
第9位 おむつ 39%
第10位 絵本 30%

また、「もらって嬉しかった出産祝いランキング」では、1位が「お金・商品券」で69%となり、次いで「ベビー服」12%、「おむつケーキ」3%と、現金が最も喜ばれるようです。

贈ってはいけない品や言葉は?

ところで、出産祝いで贈ってはいけない品物や、言葉はあるのでしょうか? 川道さんに伺いました。

川道「基本的に贈ってはいけないものはありません。

ただ、相手の感じ方によりますが、お祝いの際に不向きとされている品物は避けた方がほうが無難といえます。もちろん、ご本人がリクエストすればその限りではありません。

前述と重複しますが、相手の希望を訊けるのであればリクエストを伺うのがベストです」

お祝いに不向きとされている品

  • 刃物…包丁やナイフなどは「縁を切る」を連想させる
  • ハンカチ…「手巾てぎれ」と書き「手切れ」を連想させる

川道「このほか、産後は食べ物や飲み物に気を配っているママも多いので、カフェインや糖分などが入ったものを贈るのは、控えたほうが良いでしょう」

では、出産祝いで添える手紙や、電話などで伝える言葉としてNGなものはあるのでしょうか?

川道「相手にとって不快、不吉な言葉はできるだけ避けたほうがいいでしょう。

例えば『消える、壊れる、切れる、終わる、死ぬ、流れる、苦しい、落ちる』などのほか、相手を不安や暗い気持ちにさせるマイナス言葉、例えば『しんどい、疲れる、だめだ』なども避けましょう。

相手との関係性にもよりますが、赤ちゃんの身体に関することや、相手が気にしていること、例えば『体が大きい・小さい、母乳とミルクどっちで育てるか、髪の毛が多い・少ない』なども避けたいですね。

また自分の子どもと比べるのも控えたいものです。例えば自分の子どもが赤ちゃんの頃はよく寝てくれて、子育てが楽だったなどです」

実際、お祝いのメッセージを伝えるときにはどんな言葉をかけるのが良いのでしょうか?

川道「出産祝いを手紙や電話や、直接伝えるときは、『よく頑張ったね。お疲れ様』というねぎらいと『心からおめでとう』のお祝いの気持ちを言葉で表せると素敵ですね。

ここで注意したいことは、すでに出産を経験しているママさん。

可愛い赤ちゃんを見ると、自分の子どもが赤ちゃんだった頃を思い出し、知らず知らずのうちに、自分の子どもの話ばかりしてしまうかもしれません。

さらに、自分の子どもと比較してしまい、場合によっては相手を不安にさせていることも。もちろん、役に立つ経験談もあります。

ただ、出産後のママはいつもよりデリケートになっているケースも多いので、言葉にする前に少し立ち止まって考えてみるのも相手への優しい気くばりですね」。

ちなみに、先のベビーカレンダーのアンケート調査結果のうち、「実は喜べなかった出産祝いランキングTOP10」では、上位3位が次の結果となりました。

第1位 ベビー衣類 27%
第2位 スタイ 14%
第3位 おくるみ・ブランケット 11%

ベビー衣類が喜べなかった理由としては「自分好みでない」「すでに用意していてかぶってしまった」という声が挙がったそうです。これらを選ぶ場合は、事前に確認しておくと安心ですね。

出産祝いは、一般的に期間が限られていますが、それを過ぎたら贈ってはいけないということではありません。新しい生命が誕生したことは、とっても喜ばしいことで、お祝いの気持ちも大きいものですよね。

大切なことは贈る時期にとらわれないこと、そして儀礼的な贈り物ではなく出産したママと生まれた赤ちゃんを祝福する気持ちからなる言葉、贈り物であるかがポイントです。

【取材協力】川道 映里さん

ヒロコマナーグループ・マナーアドバイザー、徳島文理大学短期大学部講師
結婚を機に四国地方を中心にマナー講師として活動。
その後、マナー界のカリスマ・西出ひろ子氏の提唱する真のマナー論に感銘を受け、西出ひろ子氏に師事。同氏のもとで、コンサルタントの資格を習得後、行政機関、大学で「社会生活とマナー」「ホスピタリティ」等を指導。
2018年5月に青春出版社から『10歳までに身につけたい一生困らない子どものマナー』を西出ひろ子氏と共著にて初出版。

【監修】西出 ひろ子さん

マナーコンサルタント・美道家
マナーは相手の立場にたつ『相手ファースト』という真心マナー(R)とおもてなし礼法(R)を伝え、互いに幸せになる生き方を、マナーを通じて伝える第一人者。『心をカタチにするマナー』を提唱。
企業のマナーコンサルティング、講演、NHK大河ドラマや映画、CMなどで、多くの俳優や女優、一流スポーツ選手たちにもマナー指導を行うマナー界のカリスマ。夫婦、親子など家族のマナーコミュニケーション(R)にも定評があり、西出ひろ子のマナー講座を受講したら幸せな結婚、出産をすることができる、と受講者たちからの喜びの声も多数。
近年は、その活躍と実績からマナー評論家・マナー解説者としてのメディア取材や出演依頼も多数。著書・監修に28万部の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)など、国内外で90冊以上。著者累計100万部以上。最新刊『さりげないのに品がある気くばり美人の基本』(かんき出版)2020年2月刊行。