どれだけ映画の中の野獣に入り込めて、そこで会話している気持ちで喋れるか(山崎育三郎)
——ミュージカル俳優・女優として演じるときと、吹き替えを演じるときは、役への入り込み方や、役作りに、違いは感じていますか?
山崎育三郎「ミュージカルの場合は、自分で役を作っていくわけですが、映画の吹き替えは、すでに出来上がっている作品に、吹き込んでいくことになるので、野獣の表情だとか、芝居をしている人の感情に入っていく、という点が、大きく違います。
それから、ミュージカルの場合は、観客がいて、1,000人2,000人というお客様に対して、2階席3階席まで、ちゃんと感情が届くような表現を、意識しています。
映画では、野獣とベルの、1対1だけの関係で、会話をしているので、どれだけ野獣の気持ちに入り込めて、そこでちゃんと会話しているか、という想像力だと思うんです。」
スタジオ内でも全身で演技します。感情が動かないので(山崎育三郎)
ーーちなみに、ミュージカルでは、身振り手振りや、表情も交えての演技ですが、吹き替えでは、声だけの演技になります。
吹き替えのスタジオ内でも、舞台のように演技されるのでしょうか。
山崎育三郎「そうですね、野獣が右手を挙げていたら、一緒に挙げてみたりとか、乱暴に置いたら、一緒に動いてみるとか、そういうことで声に魂が入っていくので、実際に野獣が動いている動きは、やってみたりしますね。
ただ立ったままで、ずっと喋っていても、感情が動かないので。
動きがあってはじめて、声が乗ってきます。」
声だけで表現する新しい挑戦が楽しみ(昆夏美)
昆夏美「私の顔が、ベルを演じるわけではないので、ベルのキャラクターを考えつつ、あのエマ・ワトソンさんの顔から、突拍子もない声が出ないようにしなければいけないなと。
吹き替えってすごく大事で、一つ最初のほうで、違和感を覚えてしまうと、ずっと声のイメージが違うな、と思いながら終わってしまうこともあると思うので。
それから、声だけで表現するということで、普段であれば、身振り手振りがあって、表情があって、視覚的にも表現できるんですけれど、今回は、声に感情を乗せるときの、声の差し引きとかを考えながら、演じたいと思っています。
難しいけれど、新たな挑戦で、とても楽しみですね。」
マイクの位置ずれないように、と心配しています(笑)(昆夏美)
——昆夏美さんも、スタジオ内でも、全身で演技しますか?
昆夏美「はい。よく、テレビでアフレコを見ると、台本を持って直立不動で吹き込んでいるシーンをよく見ますけれど、よくできるな、私は動いちゃいそうだな、と思います。
だから、マイクの位置ずれないようにしないとな、とか、心配しています。(笑)
■『美女と野獣』
2017年4月21日(金)全国公開
監督/ビル・コンドン
出演/エマ・ワトソン、ダン・スティーヴンス、ルーク・エヴァンス
配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン
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