パパが育児に積極参加すると学力が上がる!?
子どもと触れ合うことで、パパのほうにとてもいい影響があることはオキシトシンの作用という観点でもわかります。
では、パパの関わりによって、子ども側にはどのような影響があるのでしょうか?
ある調査で、父親が子どもの生活に積極的に関わると、学業成績が回復するという結果が出たそうです。他にも、父親が誕生直後から育児にしっかり関わっている子どもの言語発達が良い、IQが高いなどの結果も!
アメリカの調査でも、就学前の知能テストで、赤ちゃんのときから父親に可愛がられて育った子どもは、そうでない子より高い得点をあげるとわかっているそうです。
パパ・イニシアチブのメリットは、子どもの社会性や人間関係能力の発達、認知力や問題解決力、学力の向上が挙げられます。
さらに、ユニセフの調査では、子どもの育ちに感心が高い男親のもとでは家族の幸福度が高く、子どもの情緒が安定し、身体的に健康で学力も高いという結果を示しています。
能登さんも、「子どもらしい夢や未知への探究心、冒険心を伸ばして自主性を尊重する接し方は、パパだからこそのやり方」と言います。
思春期に必要な、パパの鍛える愛
子どもがもっと大きくなり、思春期を迎えたときに必要なのは、「守る愛(母性)」と「鍛える愛(父性)」だと能登さんは提唱しています。
赤ちゃんの頃から一般的にお世話がメインの母親の愛は、子どもを慈しみ守り、包み込む愛。対して、子どもとの遊びがメインの父親は、子どもを外に連れ出し、外界での付き合い方を教える鍛える愛。
母の守る愛に包まれて安心して大きくなった子どもは、やがて親という安全基地を足がかりに、外界に羽ばたきたくなる時期を迎えます。そのときに必要なのが、父の鍛える愛だというのです。
どちらの愛もバランスよく受け取れる家庭環境が、思春期の子どもの心を支えるそうです。
社会性に目覚める思春期という時期こそ男親の出番。でも、思春期になって急に関わろうとしても難しいですよね。成長の軌跡をともに過ごしたからこそ、難しい時期にも親の言葉に耳を傾けてくれるもの。小さいうちから共通の経験で信頼の絆を育んでおくことが大事だそう。
まずやるべきは、家族でいっしょに食卓を囲むこと。学校の父親参観や運動会に出席するのもよいそうです。スポーツでいっしょに体を動かす、遊園地や映画などで感動をともにする、食事を作るなど父子で協力して何かに挑戦する、といった共通体験でも心は近くなります。
先程の、父親が子どもの生活に関わると学業成績が改善したという結果が出た調査では、父親はいっしょに暮らしていても暮らしていなくても、子どもにきちんと関わっていれば同じ結果が出たそうです。
つまり、たとえ忙しくても、単身赴任でそばにいなくても、子どもに向き合おうとする姿勢こそがまず大事なのかもしれません。
パパの育児参加は、ママの負担が軽くなるだけでなく、パパ自身にとっても、そしてもちろん子どもの成長にとってもいい影響がたくさんあることがわかりますよね。
忙しい中でも、ぜひパパにはできる限り積極的な育児参加を促してください。その際、本書『男親が賢く元気な子を育てる 「パパ・イニシアチブ」子育て法』を読んでみると、さらに男親が育児参加することのメリットをたくさん感じられると思いますよ。