そして、商社で働く、当時3歳の子どもがいたCさんは、時間をある程度自由に使える営業職である特権を利用し、仕事の合間をぬって通院していた経験を話してくれました。
Cさん:結果を出していれば日々の行動をあまり制限されない営業職ですが、私が仕事の合間に通院することができたのもパソコンがあったからです。
私は不妊治療の専門病院に通院していた為、待ち時間が3~4時間ということはざらにありました。
私はその待ち時間を利用してパソコンで取引先に提出する書類を作成したり、メールの返信をしたりしていたのです。
通院する日はメール返信や書類作成をする日と決め、それ以外の時間で取引先の訪問や新規開拓に充てていました。
私みたいな営業職は多少の融通が利くため、自分なりの時間のやりくりで不妊治療に挑むことができました。
Cさんの場合はBさんと違い、事務所で拘束されることがない分、仕事の合間に通院できるというメリットがあるようです。
しかし苦労がないというわけではありません。
先程のAさんやBさんのお話にもあったように、不妊治療はその月の体調の変化により治療スケジュールが読めないところがあり、いくら営業職とはいえ、お客様を自分の都合で振り回すわけにはいかないことから、スケジュール調整には苦労したとCさんは言います。
営業職は多少の融通が利くというだけであり、病院の診察時間が長引き保育園のお迎えに間に合わないという問題や、お客様とのアポが入っている日と通院日が重なるという問題は、CさんもBさんと同じように子どもを持ちながら働き、不妊治療をするうえでは共通した苦労があると言えるようです。
このように、子どもを持ちながら働き、2人目の不妊治療に挑むことは、ある程度の苦労と覚悟が伴うことが分かりますが、もう少し社会として不妊治療への理解が得られない限り、これから子どもは増えていかないのではないでしょうか。
少子化と言われているにも関わらず、まだまだ理解されない不妊治療。社会全体でサポートできる体制を整えることが重要だと改めて感じました。
「子どもは国の宝」です。
宝である子どもを安心して産み育てることができるよう、今後の国の行く末に期待したいですね。