男と女がすれ違うのは、脳の構造が違うせい。
巷でよく聞く説ですね。
脳が違うんだから、仕方ない……そう思って、夫とわかり合えずイライラしたり、ケンカになってしまってもどこか諦めていませんか?
「心(脳)がわかり合えなくても、腸でわかり合える!」
そんな大胆な説を唱えるのは、『急に不機嫌になる女 無関心になる男 (青春新書インテリジェンス)』の著書であり医師の姫野友美さん。「腸でわかり合う」ことを目標にして、食生活などを意識すれば、すれ違う夫婦仲も改善する可能性があるというのです。
今回は、この医学的な根拠をもとにした大胆な説を一部、紹介します。
感情をコントロールするホルモンは腸から作られる
イライラする、怒りが湧いてくる、かと思えばなんだか無気力……。
毎日育児に家事に追われているママたちに、ふと(しばしば?)訪れることがある感情かと思います。
では、これらの感情はどこから湧いてくるんでしょうか? 心? 脳?
答えは、なんと腸です。
これらの心の動きは、セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの脳内ホルモンによるもの。そして、最近の研究で、これらの脳内物質の前駆物質(生成される前段階の物質)は、腸で作られることが明らかになったそうなのです。
そしてその原料は、私たちが口にする栄養素=食べ物。
つまり、日々口にする食べ物で感情のコントロールが決まる、と姫野さんは結論づけているのです。
マイナスな感情だけではなく、幸せ、楽しい!といったプラスの感情ももちろん、脳内ホルモンによるもの。
好意を寄せる相手とおいしい食事をすると、恋愛感情が高まり、親密感が増す効果があるそうですが、脳だけでなく、腸内でも相手への好感度が上がっていると考えられるのだとか。
その幸せを作り出すのが腸内細菌の働きです。ストレスなどで悪玉菌が増えると、腸内環境が悪化し、ドーパミンもセロトニンも合成できなくなります。腸にはストレスをキャッチする受容体があるので、ストレスを感じると腸内環境も悪くなるそう。
でも、ストレスや疲れでドーパミンやセロトニンがなくなりかけたとしても、腸内環境さえ良ければ腸内細菌がバランスを整えるためにこれらのホルモンをせっせと作り出して脳に届けてくれます。この現象を「腸脳相関」といい、腸の状態が良ければ脳の状態も良くなるというのです。
「幸せになれるかどうかは腸内細菌しだい」と姫野さんは言います。