“恋は3年で冷める”のは脳のせい!
では結婚後の夫婦仲はどう長続きさせればいいの?
男女の脳のシステムから思考の違いを理解すると、男性の行動の中に隠された「愛」に気付きます。
3年しかもたない恋を乗り越えて、夫婦が幸せに一生添い遂げるためにどうすれよいのか。
夫婦円満に必要な“妻力”について、具体的に考えてみましょう。
「恋は3年で冷める」、「愛は4年で終わる」!?
人類学者ヘレン・フィッシャー博士のベストセラー著書『愛はなぜ終わるのか』の中で、「愛は4年で終わる」と提唱されています。
博士は、いろいろな国を調査し、統計的に結婚して4年後に離婚する傾向が高いこと発表しました。
脳科学的データからすると、ドーパミン効果は3年で切れてしまいます。そして、ドーパミンが切れたことによって、感情のままに押し流されてきた恋は終わりを告げます。
だから、結婚して4年目を迎えた頃に、自分の将来を真剣に考え始めるのです。「結婚して4年目に離婚する夫婦が多い」というヘレン・フィッシャー博士の発表は、脳科学によって裏付けされます。
“恋は3年”説は、子孫繁栄の本能から生まれた
“恋は3年”説は、古来、原始時代からの人間の本能によって進化の過程で生まれた脳内のシステムです。
人間は2足歩行を始める約400万年前までの進化の過程で、他の乳類に比べて骨盤が小さくなりました。骨盤が小さくなると、子宮・産道の大きさが制限され、他の哺乳類のように1人前になるまでお腹の中で育てることができなくなります。
人間は、他のほ乳類の基準でいうと“未熟児状態”で赤ちゃんを出産します。そのため、赤ちゃんが自分で食事・排便等ができるようになるまで、手取り足とりつきっきりで育ててもらわないと生きていけなくなりました。
このように、母親が子どもにつきっきりになって保育しなければならなくなると、父親が妻子を保護し、食事を与えなければ妻子は生きていけません。こうやって、子孫繁栄のために夫婦が協力して一心不乱に子育てをする期間が3年です。
さらに人間は、2足歩行をするようになって、脳が大きくなり、人間は先を予測する能力(想像力)と理性を発達させました。
この想像力によって、女性は出産・子育ての苦痛や苦労を予測し、男性は妻子を守り育てることで感じる重責を予測します。
さらに、子供を産み育てることで、男女ともに、生活の上での制約をされることも予測します。
その予測に対し、理性による判断によって、子孫繁栄を阻む決断をしかねません。
そこで脳内物質ドーパミンが、出産・子育ての期間3年の間、理性的判断を抑制して本能や感情を優先させます。こうして、子孫繁栄という人間の一番大きな本能的行為を、ドーパミン効果による恋愛システムが守り抜いたのです。