今年の夏は外出自粛で、おうちの中で子どもと過ごすことも多かったはず。でも、そろそろおうち遊びのネタ、尽きてきた頃ではないでしょうか?

そんな家庭におすすめなのが、おうちの中で新たに遊びをクリエイトすること! 実はおうちの中には遊びの種が無限にあるんです。

そこで今回は、遊びとおもちゃの専門家に、おうちでの、遊びの作り方や遊びを作る工程の楽しさ、そしておうち遊びのアイデアを伺いました。

コロナ禍でママはおうち遊びを楽しむ工夫をしている!?

ライフルが2020年5月26日から28日にかけて実施した「新しい暮らしへの兆し調査」の結果、約80%がコロナ禍により生活・暮らしが変わったと回答しました。

どのように変化したかを尋ねたところ、特に子育てママにおいては、「家族やパートナーとの時間を以前よりも大切にしようと思った」が全体比+12.7ptと大きく変化していました。

一方で、「家族との時間が増える一方で、自分の時間が大切だと感じた」も全体比+16.2ptと大きく変化していました。

また、母子家庭のママにおいては、「自粛生活で趣味を見つけるなど、意外と楽しく感じる」と答えた割合が23.4%と、全体の14.5%と比べて高い結果となりました。

「子どもを家で遊ばせるための工夫・努力をした」と答えた割合も母子家庭のママのほうが全体の10.5pt高く、全体は8.1%と比べて15.9%となりました。

ある母子家庭ママのモデルのインタビューにおいても、「おうちで楽しむ遊びを考えて、子どもたちと一緒に作る工程が楽しい」という声が挙がっています。

母子家庭に限ったことではありませんが、コロナ禍による自粛生活では、おうちで楽しめる遊びを試行錯誤しながら見つけているママの姿が浮き彫りになりました。

遊びをおうちで作る工程の楽しさ

多くのママが、このコロナ禍で、おうちで子どもと一緒に遊びを考えていたことでしょう。実は、その遊びを作る工程、過程はとっても大切だといいます。

認定NPO法人 芸術と遊び創造協会 人材育成事業部で、おもちゃコンサルタントの岡田哲也さんに解説いただきました。

カタチが変われば遊びが生まれる

岡田哲也さん(以下、岡田)「手作りの遊びをする場合、それを完成させることがゴールになってしまうと、『過程』がないがしろになってしまいます。

例えば折り紙では、正方形の紙を折る過程で、色々な形が生まれて、何かに見立てたりしながら遊びが広がります。折り紙でツルを折る過程で三角ができたら、『おにぎり』や『船』に見立てたり。

折り紙で最終的にできる『完成』を求めるのも大切ですが、その『過程』にある遊びのタネも大切にしたいですね」

ものの成りたちを知ることができる

岡田「今の子どもは、生の魚が泳いでいる姿を見たことがないので、スーパーで売っている魚の切り身がそのまま海で泳いでいると思っている、なんていわれることもありますよね。

確かに完成されたものしか、見ることができなくなった現在。だからこそ、始まりと終わりと、その過程を知ることは子どもにとって大切なことです。

例えば、何かを工作するときには、画用紙、はさみ、のりなどの材料をそろえる、見通しを立てるということを体験を通して知ることができます。また作品が完成した後は、自分が頑張った成果が目で見て分かります」

子どもたちにとって遊びは、外の世界を知るきっかけにもなる

岡田「遊びを作るという意味では、既製品のおもちゃで遊んだり、手作りおもちゃを作ったりすることだけが、当てはまるわけではありません。

生活のすべてに遊びがあると言ってもよいのではないでしょうか。例えば、『衣食住を遊びに取り入れる』『お手伝いを遊びに取り入れる』。こういった経験が、自分の身の回りの世界に関心を持つきっかけになると思います」

その家に合った遊びを見つけよう

岡田「遊びは『こうしなければいけない』というのはありません。成果を求めるものでもないのです。

ですから、最初に考えた計画が途中で変わろうとも、気にしないこと。子どもたちの『今したいこと』を大切に。人目や時間を気にしなくていいおうちだからこそ、その子が一番したいことを精一杯実現させてあげましょう」

大人も一緒に遊ぶことで子ども育つ

岡田「いつもの場所、大好きなお父さん、お母さんと一緒に遊べる安心感。特に新しいことをするわけではなくて、お父さん、お母さんが昔遊んだ遊びを一緒にしても良いのではないでしょうか。

また、おうちで遊ぶときに注意したいのは、安全には気を付けること。いつもはおもちゃや遊び場ではない環境で遊ぶということは、危険が潜んでいるということです。

例えば、台所やお風呂場などで遊ぶときには、危険を大人がしっかりと取り除いてください」