■マイノリティのためのバンドでありたい

渋谷の街中でメチャクチャ目立ってました。
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――えんそくの楽曲は聴きやすいというか、キャッチーですよね。

ぶう「ボクら聞きにくい音楽は嫌いなんで。ほんとはカッコいいヴィジュアル系になりたかったんですけど、ヴォイヴォイ言って胸元をひっかいて血を流すような……。でも向いてなかったんで……」

ミド「やっぱヴィジュアル系だから、ベースのストラップを長くしたいじゃないですか。でもやっぱ短くなちゃって。向いてないんですよ」

――その一方で歌詞は「日陰の人」というか「非リア充」みたいな人に向けて書いているように感じるんです。

クラオカ「今回はリスナーのこと、どういう人が聞いてるんだろうということを考えながら書いたっていうのは、たしかにありますね。自分のお客さんに向けて。評判はいいです。今までで1番いいんじゃないかと、反響や売れゆきも含めて手応えはあります。やっぱり自分が“変わり者”であることをアイデンティティにして、生きてきた……みたいなとこがあるわけですよ、『みんなと同じにはならないぞ、俺は変わり者だぞ』みたいなヤツっていっぱいいるじゃないですか。ボクもそうだったから、そういう人に集まって来てほしいわけですよ。

共通の敵として、あんまりそういうことを深く考えずに、手近な身近なところにあるモノに手を出して、テレビとかで評判なものを食べにいく、みたいな……そういう世界観に生きている人を敵にしていこうと思ったんです。やっぱヤなんですよ、『それは本当にお前の感性で選んだ訳じゃねえぞ!選ばされているのに勝手に選んだと思い込んでるんじゃないのか?』っていうヤツらに数の理論で負けてる気がするので、そういうヤツらに自信もって生きられるのは腹立つんですよ。

だから、こんなにたくさんいろいろなモノがある中で、自分のアンテナで変なものを見つけるとか、『自分が見つけた!』『アタシはこんなみんなが知らないことを知っているのよ』ってプライドをもって生きている人の方がボクは好きなんですね。

だからそういう世間に流されているということに気づいてない人たちも、気づいてほしいなと思って。えらそうですけど。そういう人も引きずり込んでやろうと。こっち側の日陰の道にね。そもそもヴィジュアル系なんてそういうジャンルじゃないですか。100万人のための音楽じゃないと思ってます。そういう少数派のマイノリティのためのバンドでありたいと思っています」