家事、育児、仕事のことなどささいなきっかけで始まる夫婦喧嘩。配偶者とはもともとは赤の他人ですから、夫婦になっても不満を持ったり、けんかすることだってありますよね。
そんな夫婦喧嘩に対する考え方は千差万別。毎日のようにけんかをしても夫婦間の絆が強くなる夫婦もいれば、さらに関係が悪化する夫婦もいます。
中には、夫婦喧嘩に発展するのを避けている夫婦もいるでしょう。
実は夫婦喧嘩をした結果、夫婦関係をプラスにする方法もあるのです。
そこでこの記事では、夫婦問題コンサルタントの寺門美和子さんに伺った、幸福度が高い夫婦の夫婦喧嘩の特徴と、結果的に円満になる夫婦喧嘩、不仲になる夫婦喧嘩について紹介します。
結婚の幸福度が高い夫婦ほど…
パートナーエージェントが2020年10-11月に実施した20~49歳の既婚男女500人への「コロナ禍での夫婦関係性」に関するアンケート調査の結果によると、コロナ禍以降、既婚者の約4割は夫婦の関係に変化があったことが判明。
「関係が良くなった」と回答した人は25.2%、「関係が悪くなった」と回答した人は12.6%でした。
また、結婚の幸福度が高い人ほど、コロナ禍によって夫婦の関係が良くなったという結果も出ていました。
そんな中、夫婦喧嘩の原因と幸福度の関係について調べたところ、「自分が原因になることが多い」と感じている人の86.5%が「結婚して幸せ」と回答していました。これは他の項目に比べて、最も多い割合です。
そもそも、夫婦喧嘩の原因は夫婦両方にあるものです。そんな中、夫婦喧嘩を自分のせいにする人ほど、幸せを感じている人が多いことが分かりました。
喧嘩の原因を相手のせいにしないほど「幸福度」が高まるワケ
アンケート調査結果では、「結婚の幸福度が高い夫婦ほど、喧嘩の原因を相手のせいにしない」傾向が出ていました。
夫婦喧嘩が絶えないと、「旦那がだらしないから」「あなたの稼ぎが悪いから」「夫の価値観がずれているから」など、つい夫のせいにし文句を言いたくなることもありますが、そうではなく、「妻である私が神経質で細かいことが気になってしまうたちだから」「妻である私の段取りが悪いから」など、自分に喧嘩の原因があると考えたほうが、結婚の幸福度が高まるというのです。どうしてなのでしょうか?
夫婦問題コンサルタントの寺門美和子さんに意見を伺いました。
寺門美和子さん(以下、寺門)「私は、夫婦問題のご相談を受けているなかで、トラブルを抱えるご夫婦の特徴をいくつか感じます。
その中で一番多いのは『自分は被害者』という意識です。悪いのは常に相手で、自分にも悪いところはあるものの『条件付き』。『相手が〇〇だから』と理由をつけるのです。
反対に、幸福度が高いカップルも何組も知っています。その人たちは共通して『パートナーのおかげ』ということや『自分のわがまま』をよくわかっているのです。
あるお坊さんから『良い人がたくさん住んでいる家は争いが絶えない』というお話を聞いたことがあります。逆に『悪い人がたくさん住んでいる人の家は幸せ』というのです。
どういうことかな?と思ったのですが、良い人が住んでいる家では、『私が正しい』という主張合戦になり、悪い人が住んでいる家では『私が悪かった。ごめんなさい』と謝り合うというのです。
つまり、ここでの『良い人』は、『自分が正しい人と思い込んでいる人』で、ここでの『悪い人』は『自分は間違っていると思える人』という意味なのです。
喧嘩の多くは、原因よりも、その事柄をどうとらえるかによって変わってくるものだと思います」
夫婦の幸福度は、いかに自分に非があり、自分が間違っていることを認められるか、ということが関係しているようですね。