影響力を保つカギは「社外コミュニティ」
さらに、ゆとり世代とのつながりを深めるために、知っておきたいのが業務外でのコミュニケーション術。ゆとり世代は定時になるとすぐに帰るケースが多いと言われる。飲み会に誘ったら嫌がられるのだろうか?
「つながりを大切にするゆとり世代は、コミュニティから外れることを好みません。基本的には『みんなが行くのであれば、自分も行く』というスタンス。つながりを深めるために、1ヵ月に一度程度なら、飲み会に誘うのもいいでしょう」
ただし、社内コミュニティだけでの飲み会を続けていては、ゆとり世代の心は離れていきかねないと言う。
「社会人経験の浅い1年目であれば、社内の人間関係だけでも新鮮さを感じるでしょう。けれど、2年目、3年目と社会人経験を重ねていくと、閉塞感を覚えるようになります。そんなとき、上司・先輩世代が社内コミュニティに留まっていては、ゆとり世代は失望しかねません」
社外にもしっかりとコミュニティを築いて、ゆとり世代を社外コミュニティへと連れ出すことが、影響力を保つカギとなるのだ。
「心理学に『ジョハリの窓』という、対人関係における気付きのグラフモデルがあります。横軸が自分の知識(知る・知らない)、縦軸を相手の知識(知る・知らない)で作られた、4象限のマトリクスです。この中の『自分は知っていて、相手は知らない』という象限、『秘密の窓』を多くもっていれば、相手が望むときに効果的に披露することで、尊敬を得ることができます」
まずは難しく考えず、社外の友達との飲み会にゆとり世代の部下・後輩を誘うだけでも効果的だそう。もちろん、自分自身が成長するためにも、常に人脈を広げるための努力はしておきたいところだ。
【図解】
後輩の信頼を勝ち取る鍵は「秘密の窓」にアリ!
上司・先輩の価値を高める『ジョハリの窓』
後輩への影響力を維持し続けるためには、「自分は知っていて、相手は知らない」こと=「秘密の窓」を多く持っておくことが重要。相手が望むときに効果的に披露することで、信頼を勝ち取ることができる。
後輩との円滑なコミュニケーションを進める上で重要なツールとなる『ジョハリの窓』。上司・先輩の価値を高めることにもつながるので、ぜひこの仕組みを念頭に置いておきたい。