5.博物館の「レプリカ」と「コピー」

展示の為のレプリカは、代用品としてだけでなく、現物の劣化を防ぐための目的もある。また、当時と同じ方法で復元制作するなど、レプリカを製作過程も研究の一環になっている。贋金作りと小判の復元制作が紹介されていた。どちらも限りなく本物に近付ける行程が続くが、その目的は全く異なる。

 

こちらは「ホンモノ」の小判・大判が展示されたコーナー

モノだけではなく、音のニセモノもある。コピーと著作権は切っても切れない関係で、現在でもしばしば問題になる。ここではレコードの複製から著作権について学ぶことが出来る。

 

実際の演奏をホンモノとするなら、レコードやCDの音はニセモノなのだろうか?

体験コーナー『大金を持ってみよう!』

実際に触れられるコーナーも。

 

様々な『大金』を持つ感覚を体験出来る
 
左)実物大の天正大判  右)千両箱

大判はともかく、千両箱はとても片手では持ち上げられない。鼠小僧のようにこれを担いで屋根を飛び移るのは難しそうだ。夢破れたり。

 

100万円×10束=1000万円。1000万円のブロック×10個=1億円!! 動悸が高まる。

千両箱が無理なら現ナマだー! 1億円を持ち上げようと試みるも、こちらもかなりの重量。約10kgあるらしい。強盗などという不埒な考えはきっぱり諦めたほうがよさそうだ。お金の重み(物理)を身に染みて感じた。

 

展覧会グッズは基本的にキンキラキン。金運があがりそう
 
お土産にもホンモノとニセモノが!? 右のストラップはホンモノの古銭を使っているらしい。

ジュラ紀から現代までにわたる、およそ300点の「ニセモノ」と「ホンモノ」たち。 たくさんのニセモノを見たことで、ニセモノ=インチキ、というイメージは完全に覆った。単にニセモノだからダメ、ホンモノだから良い、ということではない。時にニセモノはホンモノを超え、重要な役割を持つ。

ニセモノをこんなにアカデミックに、楽しんで鑑賞したのは初めてだ。ニセモノも悪くない。

文・写真 篠崎夏美

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