『Chase The Wind』(グランダー武蔵RV)

作詞・作曲・歌 - COA/編曲:COA、渡部チェル

90年代の後半から2000年代の半ばにおいて、多くのキッズアニメの音楽を担当した高取さんですが、アニソンに関わるきっかけになったのが、この『Chase The Wind』。

高取さんの実弟である高取伸和さん(アーティストネームはNOBU)とのユニット「COA」名義での楽曲となっています。

アニソン、特撮ソングのクリエイターとしての出発点にあたる楽曲でもありますが、胸を高鳴らせる圧倒的な高揚感や伸びやかで力強い歌声など、現在の高取サウンドにも通じる音楽的魅力は、この曲でも既に顕在化しています。

今まで経験したことのない"アニソン"という音楽ジャンルに挑戦するにあたって、その制作には、かなりのエネルギーを要したと当時の思い出を語れていますが、その苦労の甲斐あってか、アニソンの王道を行くような熱さとメロディの素晴らしさがキラリと光るナンバーに仕上がっています。

高取ヒデアキファンにとって、まさに、原点であり必聴の一曲です!

『祝(ハピラキ)! ビックリマン』(祝!ビックリマン)

歌・作曲・作詞:高取ヒデアキ/編曲:川瀬智

みなさん、ご存知の超長寿食玩シリーズ『ビックリマン』。そのテレビアニメ第5弾として、2006年に放映を開始した『祝(ハピラキ)! ビックリマン』のオープニング主題歌『祝! ビックリマン』は、高取さんが世に送り出した一連のキッズアニメ主題歌の中でも、特にポップで楽しい楽曲です。

この曲の魅力は、徹底的に子どもたちの目線に合わせたコミカルな歌詞。リズミカルでテンポの良い歌詞が次々に繰り出され、聴いているだけで楽しい気持ちになれます。

一方で、そのサウンドは非常に分厚く、多層的に構築されているのも、この曲の大きな特徴。

昭和のアニメ主題歌を思わせる派手なブラスに、ファンキーな女性コーラスとギターのカッティング……と、良い意味でマニアックな作りになっており、それがこの曲に深みを与えています。

とにかく、明るくて、楽しくて、カッコ良くて、アニメや特撮作品のストーリーを大いに盛り上げてくれる。しかし、聴き込んでみると、その音作りのユニークさや完成度に音楽好きならば思わずニヤリとさせられてしまう……そんな高取サウンドの魅力が、この曲には詰まっています。

歌詞にもメロディにも、子どもたちを楽しませる為のアイデアを盛り込みつつ、音楽的にも斬新なアイデアを用いてハイレベルなことをやってのける。この『祝(ハピラキ)! ビックリマン』は、ある意味で高取ヒデアキさんの音楽性を最も雄弁に物語る楽曲だといえるでしょう。

『ハリケンジャー参上!』(忍風戦隊ハリケンジャー)

歌:高取ヒデアキ/作曲・編曲:池毅/作詞:及川眠子

ラストは、やっぱりこの曲! 高取さんにとって、初の特撮ヒーロー番組主題歌……"特撮シンガー"高取ヒデアキとしてのデビュー曲である『ハリケンジャー参上!』です。

落ちこぼれの3人の忍者が、地球の平和を守る為に、凶悪な忍者集団に戦いを挑む姿を描いた『忍風戦隊ハリケンジャー』。スーパー戦隊シリーズらしいポップなギミックやコメディ要素を盛り込みつつも、その骨太でハードなストーリーが当時の子どもたちのみならず、大人も魅了した傑作です。

2013年には、番組終了から10周年を記念して続編のVシネマも制作された人気作の『忍風戦隊ハリケンジャー』ですが、その主題歌を歌っていたのが、誰あろう高取ヒデアキさん、その人。

この『ハリケンジャー参上!』以降、高取さんはProject.Rに参加し、歴代のスーパー戦隊やプリキュアシリーズで音楽を手掛け、"ニチアサ"を彩る名シンガー、名作曲家となるわけですから、この『ハリケンジャー参上!』は、その歴史を振り返るわけでも決して外せない楽曲だといえるでしょう。

まさに、スーパー戦隊主題歌におけるキラーチューン。特撮シンガー、高取ヒデアキの原点であり、ターニングポイントとなった大名曲です。

同じく高取さんが歌唱を担当した劇中歌のハードロックナンバー『風よ、水よ、大地よ、』と併せて、聴いていただければと思います。

如何だったでしょうか? アニメや特撮作品を盛り上げ、その魅力を更に引き出してくれる音楽を次々に世に送り出す高取さんの凄さが少しでも伝えることができれば、高取さんファンの筆者としては幸いです。

この他にも、紹介できないくらい沢山の名曲がありますので、高取さんの音楽に触れていただければと思います!

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。