■「V?」は「ヴィジュアル系とは何か?」と君に問いかける(かもしれない)

1曲目の『積極的受動人間』やラストを締めくくる『ロザリオ』のように、jealkbメンバーによる楽曲は歌詞も曲調もヴィジュアル系的なのですが、意外なところでHigh Speed BoyzのJINさんの『DEAD LOCK』、SOUL'd OUTのShinnosukeさんの手による『サロメ』も「いかにも」なヴィジュアル系ソング。

前山田健一(ヒャダイン)さんの『瞳・華(あいか)』も歌謡曲テイストで、若い人には通じないかもしれませんが、銀座ジュエリーマキのCMソングに起用されそうな雰囲気です。

ガガガSPの山本聡のさんが参加したロックチューン『Glory Days』、寺岡呼人さんが作詞作曲した『Boots』のようなポップな曲調のものは、90年代のポップ寄りのヴィジュアル系バンドのような印象を受けます。

そして、本作最大の話題作であろう、所ジョージさん作詞作曲の『koikoi』もこのアルバムの中に収まっていると、「それっぽく」聞こえるのです。

「ヴィジュアル系」の定義とは何か? という問いはこのジャンルが勃興して以降、ファンの間でも長い間ずっと議論されていたテーマです。「男の人がお化粧をしてちょっとナヨナヨした歌い方をしていればヴィジュアル系」と感じる人もいるでしょうし、専門誌に載っているバンドが全部ヴィジュアル系ではないでしょうし、専門のCDショップで売っていればヴィジュアル系かと言われれば、違うような気もします。

『私が「ヴィジュアル系」だった頃。』
市川哲史(著)
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音楽評論家の市川哲史さんは「どことなく哀愁を帯びたキャッチ―なメロディと生き急ぎ気味のツイン・ギターのリフ、そして疾走する重低音リズム」と、著書『私が「ヴィジュアル系」だった頃。(竹書房)』にて解説し、また、お笑い芸人のマキタスポーツさんは「ヴィジュアル系の本質は“ビジネスモデル”にあるのでは」とラジオ番組で発言されていました。

そんな風に、様々な人から様々な解釈をされているヴィジュアル系ですが、お笑い芸人が真剣にやっているヴィジュアル系バンドjealkbの新作『V?』は「ヴィジュアル系とは?」を問いかけているような気がするのです。

 

★jealkb ワンマンライブ「御久薔薇ノ湾満」
2012年11月10日 Zepp Tokyo
チケットを購入 https://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1238452&afid=681 ]

【関連サイト】
jealkb公式サイト [ https://jealkb.laff.jp/ ]


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