「家事がイヤ」も、子ども時代の体験がきっかけ!?
さらに、ちょっと意外ですが、家事がどうしても好きになれない、面倒でしかたない、という「家事ギライ」や「ズボラ」も、理由をたどれば、たいてい子どもの頃のトラウマ体験と関係しているといいます。
高橋「たとえば幼いとき、お母さんのお手伝いをしたいと思っていっしょにやろうとしたのに、『あなたはやらなくていい』『邪魔よ!』と拒否された、『手伝いなさい』と言われたからやったのに、『なんでちゃんとできないの!』とさらに怒られた、そんな苦い体験があると、台所仕事や掃除などに、嫌な思い出ができているんですね。
そのせいで、キッチンに立ったり、掃除しなきゃと思ったりするたびに、その思い出が無意識に浮上して、やりたくなくなるのです。家事嫌いのママは、そんな過去を持つ可能性が考えられます」
ネガティブな感情を切り替えるコツ
では、こうした子ども時代のトラウマ体験に起因するママの悩みを解消するには、どうしたらいいのでしょうか?
「まずは、あの体験が原因かもしれないと気づくことです」と高橋さん。
悩みが深い場合は専門家に相談することも必要ですが、気づくだけで自然に呪縛から解放されてスッキリすることもあれば、少し気持ちを整理して切り替えることでラクになることもあるそうです。
以下、悩み別に、高橋さんからのアドバイスを紹介します。
子どもにイライラする
高橋「思い通りにならないからと子どもを頭ごなしに叱ると、子どもの気持ちを無視することになり、ますます子どもが言うことを聞かなくなります。すると親はさらに怒り、恐怖で子どもをコントロールしようとします。
その結果、子どもは『ママに嫌われている』『自分はダメな子なんだ』と思い込んで、自己肯定感が低くなってしまいます。
この悪循環を止めるためにも、言うことを聞かない、駄々をこねるなどの子どもの振る舞いにイライラしたときは、まず『この子は、私が子どもの頃、やりたくてもできなかったことを、今、代わりにやってくれているんだ』と思うようにしましょう。
次に、子どもの目線に立って、子どもが今何を感じているかを想像してください。それはかつて、ママ自身が感じていたことです。
『自分も、子どもの頃は同じように感じていたんだ』と腑に落ちれば、もうイライラはしなくなります。これが、子どもに共感するということです。
子どもへの共感が習慣になって、常に気持ちに寄り添えるようになると、子どもも安心して素直になってくれるので、子育てが楽しく、ラクになります」
子どもの友人関係が心配
「まずは、ママ自身が『これは過剰反応なんだ』と気づき、さらに『子どもの問題ではなく、自分自身の不安が強いせいだ』と理解する必要があります。
一昔前、たとえば戦時中の日本の村社会では、周囲から浮くと村八分にされて食料を分けてもらえないようなこともあったでしょう。でも、今は他人に嫌われても、気にしなければ困ることはありません。
子どもが友達と約束してこなくても、『学校でのストレスを癒すためには、家でのんびり一人で過ごす時間も必要なんだ』と考えて、過剰に心配しないようにしましょう」