しかし、「個性的だよね」「物語チックだよね」とか良く言われるんですけど、別にそうしようと思ってやってるわけではないんです。自然体で音楽をはじめたものがこういう形になっていて。バンドをやってる以上はそれぞれが自分たちが追求している音楽をやっていたら、その時点で個性が生まれるじゃないですか。我々みたいなバンドであっても、明るくハッピーなものを提示しているバンドであっても。「(バンドの)個性がない」っていう方がおかしいというか。その中でのひとつのあり方を提示し続けられる存在でありたいなというのが、amber grisの活動する上の理念であったりロジックであったりします。

――「ヴィジュアル系が大好きな人達が集まった」とおっしゃっていましたが、今のヴィジュアル系シーンに対してなにか思うことや感じることはありますか?

手鞠:(ヴィジュアル系が好きということは)声を大にして言いたいです!

ラミ:いろんなバンドさんがいて面白いと思いますけどね。

手鞠:僕たちは90年代のヴィジュアル系ブームの時に思春期を過ごした世代なんです。あのブームでいろんなバンドがメジャーデビューしてシーンがすごく盛り上がっていたじゃないですか。それが落ち着いた2000年前後に今度はインディーズの中で様々なバンドが個性を発揮していた。そういう時期を見てきたので、その時に比べるとやっぱり今は「新しいバンドが生まれるドキドキ感」っていうのは少ないかなと思いますね。

――amber grisはその現状を打破したいと。

手鞠:「バンドひとつの力なんてたかが知れている」って言われるとそうなんですが、それでも自分たち5人が一生懸命信じている表現や音楽を真摯に貫いて行けば、結果的になにかしら変わるんじゃないかなと、一生懸命やってるんですけど

――この10年くらいのヴィジュアル系バンドの音楽性って、デスボイスを多用したメタルコア系、ラウド系と呼べるようなものだったり、打ち込みとバンドサウンドを同期させたミクスチャー寄りの音楽が主流だったと思うんですね。amber grisの音楽はどれにもくくれないじゃないですか。他のバンドと差別化を図るために意図的にやっているんでしょうか。

手鞠:それが、そうでもないんですよね(笑)。今はそういうバンドばっかりだから、あえて奇をてらおうというわけでもなく。同期が流行ってるからあえていれない、とかでもなく。ただ、同期に頼らずに表現できることもまだまだできるよなっていう部分もあって、そっちの方が面白いんじゃないか、それで楽しんでみようかという気持ちの方が強いです。

kaname:そうだね。単純に自分たちの音には必要ないなって。5人で合わせた時の感動や楽しさから「僕らの音はコレだね」って決定づけられたっていうか。5人が必要だと思ったらそういうものを取り入れていくと思いますし。

ラミ:特別に縛りはないですよね。