――ヴィジュアル系バンドの多くはバンドの規模がある程度大きくなると、流通はインディーズでも事務所に入っているケースが多い様に思います。amber grisは完全自主というか特定の事務所に所属せず、ライブのブッキングや今回のような取材の応対まで全て自分たちでなさってまいすよね。例えば今回のワンマンツアーのファイナルは恵比寿リキッドルーム(最大キャパ1000人)で、そのくらいの規模になっても全部自分たちでやりたいっていうのはなにか理由があるんでしょうか?
kaname:パソコンやツールが普及してない時代は事務所に入ってないと中々CDが出せなかったりしたと思うんですけど、今はホントに手軽にできちゃうじゃないですか。ただ、「それ故に」という部分も多々ありますけど。例えば、すごくカッコいいポスターを作っているのにライブを見たら……っていう時や、作品を作ることに対して気持ちが薄くなっている様に感じることもあります。
ラミ:いろいろ活動してきて、いろいろなところの事情がわかるわけじゃないですか。自分たちと同じ気持ちでやってくれる事務所があれば、それは願ったりかなったりですけど。
殊:逆に自主でここまで来てしまったので、「(事務所には)入らないんだろうなあ」と周囲に受け取られてるんじゃないんでしょうかね。
手鞠:「このバンドには何か確固たる信念があって自主でやっているんだろうなあ」的な。しかし我々からしてみれば必要とあればいくし、必要じゃなかったらいかないってだけのことです。
ラミ:それに事務所同士の関係で出られないイベントがあったりとか、そういうケースもあるので、そういうのは嫌だよねって。
手鞠:やっぱりどんな事務所やレーベルにいても良いバンドは良いし、一緒にやりたいと思ったら別け隔てなくいきたいので。お互いのバンドの良い部分を伸ばすきっかけになれたら、それでシーンが良くなることに繋がればと思っています。
kaname:それを信じてamber grisも4年目に突入したわけですけど。