『プレゼンはテレビに学べ!』
天野暢子(著)
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「番組の冒頭で全員が同じ映像を見ることで、これから始まるクイズへの期待感をふくらませ、また年齢や立場が違う人とも同じ情報を共有し、同じスタートラインに立つことができる。プレゼン資料の表紙に簡単なビジュアルを入れることで、これと同様の演出効果が期待できます」

また、演出には当日の服装も含まれる。テレビに映ったアナウンサーやリポーターの服装を見て、ニュースの内容に気づくことがある。スーツに腕章なら事件現場、華やかな衣装なら有名人の結婚式かもしれない。プレゼンテーションにおいても、「面白い人」として認知されたいのか、「できる営業パーソン」を演出したいのかで、正しい服装は当然変わってくる。

「取引先のコーポレートカラーを取り入れるのもいいですね。また、名札をつけていくだけでも、印象はまったく違う。次の仕事につなげるため、名前を覚えてもらうことも、立派な本番の演出力です」

テレビ番組のプロデューサーやMCになったつもりで、プレゼンテーションを組み立てよう。

自分は「生放送」のMC! 段取りからテレビを意識する

テレビの生放送が滞りなく進行する背景には、秒単位のタイムスケジュールと、綿密なリハーサルがある。

プレゼンテーションにおいても、「1時間でも2時間でも、好きなだけ話してください」というケースはない。「与えられるのは10分間、制限時間が守れなければ失格」という厳しい場面を想定すると、まさに秒単位で考えなければ、「演出」に気を配る余裕はできない。

生放送番組に学んで、時間内で最高の成果を挙げるプレゼン術を身につけたい。

1.台本を作る
あの『徹子の部屋』にも台本はある! プレゼンテーションをスムーズに進行するために、慣れないうちは一言一句まで台本に書き起こし、それぞれの発言にどれだけの時間がかかるか測ってみよう。

2.秒単位のタイムスケジュールを作る
秒単位……とはいえ、プロの話し手ではないので、言い直すことも考慮に入れると全体時間の1割ほど(2分かかる発言なら12秒)余裕をみておきたい。これも、テレビでは毎日行われていることだ。

3.何度もリハーサルを行う
一発勝負と思われがちなスポーツ中継でさえ、カメラワークや選手の読み上げなど、綿密なリハーサルが行われている。年齢や立場など、プレゼンテーションの相手に近い人に見てもらうとさらにいい。