平野くんは神ってる?

平「私も毎日、平野くんを鬼瀬くんだな~と思っています。それぐらい神ってる(笑)」

平野「神ってる? そんなシンプルな褒め方があるんだ(笑)」

平「平野くんと鬼瀬くんはお料理ができたり、似ているところもたくさんあるし、セリフも鬼瀬くんの言葉として入ってくるから、すごく感情移入がしやすい。

郁巳くんに絡まれている奈緒ちゃんを鬼瀬くんが助けにきてくれるシーンを撮影したときも、鬼瀬くんがそばにいてくれたら何も怖くないって思えたし、ちょっとホッとしたんですよね」

平野「鬼瀬くんのことを褒めているんでしょうけど、なんか僕のことを言ってくれているみたいで、テレますね(笑)」

平「ゴメン、鬼瀬くんのこと(笑)。鬼瀬くんみたいな、薔薇の花束を女の子に渡せる男子が現実にいたら本当にいいなと思う」

平野「現実の世界では、SNSで告っちゃったりするからね」

漫画の男の子に恋をしちゃう女の子の気持ちが初めて分かった

平「そうそう。だから、原作を最初に読んだときに、漫画の男の子に恋をしちゃう女の子の気持ちが初めて分かったし、読みながら胸がキュンキュンしちゃった。

私にもキュンという感情があるんだと思って嬉しかったな(笑)」

そんな平野と平のやりとりを聞いてみても、お互いが役になりきっているのが分かるが、ふたりはどんなことを意識しながら鬼瀬と奈緒を生きているのだろう?

平野「鬼瀬くんは、超不良で目つきは鋭いけれど、可愛らしくてピュアで、いざというときにカッコいい男です。

でも、平さんがさっき言われたように、わりと平野のまんまで。天然なところも似ているの、平野の睨みをきかせたバージョンみたいな感じですね(笑)」

平「衣裳合わせで最初に会ったとき、平野くんはまだ黒髪で綺麗な横顔だったから、きっとクールな人なんだろうなと勝手に思っていたんですよ。

でも、話していくうちに“? ”と思うことが多くなって、天然ということが明かされていったんです(笑)。

でも、毎回笑いを起こしてくれるし、現場を和ませてまくれる。自分のお姉ちゃん(平愛梨)の男バージョンを見ているみたいです(笑)」

平野「鬼瀬くんは逆に、16歳にしてはクールだけど、テンパったときは子供っぽい喋り方になるので、そういうところは出していくようにしていて。

ただ、普段は鋭い目つきをすることはないので、眉間がぷるぷるって攣りそうになりました(笑)。

それに僕、ドライアイなので、目に潤いを与えながら頑張っています」

ヘタレの女の子を演じる工夫

平「私は今回のお話をいただいたときは、ザ・少女漫画のヒロインの女の子を演じるのは初めてだったので、この世界に入れるんだと思って、すごく嬉しかったんですよ。

でも、奈緒ちゃんが本当に純粋でまっすぐで、どこから見ても可愛い、表情のすべてが可愛い女の子だったから、私で大丈夫かな~ってすごく不安になったんです。

それで、まずは見た目から似せようと思って、髪を20センチ切り、人生で初めて茶色に染めました。

あとは監督から『大袈裟でいい』と言われたので、驚くときのリアクションを大きくしたり、ところどころでヘン顔を入れたり。ヘタレだから声のトーンを高めにしてふわふわした口調で喋るようにもしたし、手に力が入る癖も勝手に作って演じています」

平野と平は「ひらひらコンビ」

この日の午後もその日がクランクインだった浅川演じる雅の目の前を鬼瀬と奈緒、三咲とかよが校庭を駆け抜けるシーンや、かよのことを心配する奈緒と鬼瀬が言い合いになる屋上のシーンなどの撮影がスピーディに進められていったが、現場は常にアットホームで楽しそう。

取材陣に平が笑顔を振りまけば、平野も撮影の合間に各社のカメラマンのリクエストに応えて最高の決めポーズを次々に炸裂させていたし、この現場で誕生した平野と平のお笑いユニット「ひらひらコンビ」のコントを取材中に実際にやってくれたのも印象的だった。

そこで、三咲役の横浜流星にも自身の役柄と一緒にふたりの印象を聞いてみた。

横浜流星

横浜「僕が演じている三咲は、紫耀くんが演じる男っぽい鬼瀬くんとは真逆のキャラで、すごく可愛らしい男です。でも、その可愛らしさとは裏腹に、毒舌を吐くときもあるし、素直になれない、自分の思いとは違う行動をしちゃうところがあったんですよね。

でも、鬼瀬くんや奈緒ちゃんと出会って、ちょっとずつ素直になっていく。その心情の変化を丁寧に演じるようにしています」

そんな横浜が間近で見た平野と平はどんな人たち?

横浜「紫耀くんはすごい天然じゃないですか?(笑) 最初に平さんと紫耀くんと僕の3人であってホン読みをしたんですけど、そのときに監督も交えてトランプもしたんですね。

そしたら、紫耀くんがそのトランプのルールを分かってなくて(笑)。平さんも紫耀くんに負けないぐらい天然ぶりを炸裂させていたから、その初対面のときにこのふたりはいいコンビだなと思いました。

それに紫耀くんとは同い年なので、すごくリラックスして、楽しく撮影をしています」

という横浜の話を受けて、最後に主演の平野紫耀にビシッと決めてもらった。

平野「撮影が進むに従って、鬼瀬くんという役がつかめてきたし、彼の生き様や想いが身についてきました。

これからも鬼瀬くんにどんどん近づいていって、『honey』の原作ファンの方々にも気に入ってもらえるような作品になるように精進していきますので、楽しみにしていてください」

果たして、平野紫耀が生身で赤毛の鬼瀬大雅を体現した映画『honey』は胸キュン青春ラブストーリーの新たな伝説を作るだろうか?

2018年3月31日の劇場公開がいまから待ち遠しい。

©2018「honey」製作委員会 

映画ライター。独自の輝きを放つ新進の女優と新しい才能を発見することに至福の喜びを感じている。キネマ旬報、日本映画magazine、T.東京ウォーカーなどで執筆。休みの日は温泉(特に秘湯)や銭湯、安くて美味しいレストラン、酒場を求めて旅に出ることが多い。店主やシェフと話すのも最近は楽しみ。