「あれ買って!」「これがいいの!」お店で大声をあげて泣き叫ぶ我が子……。
2歳から3歳くらいまでの時期に起きるといわれる「イヤイヤ期」の中でも、特に困るのが、公共の場でこのようなイヤイヤが始まること。みなさんはどう対処していますか?
なんとか、なだめてその場を乗り切っているものの、保育のプロならもっといい方法で対処しているのでは?と思いますよね。
そこで今回は、店の中でイヤイヤが発生したときの対処法を、保育士歴30年でママたちに講座などを行いつつ、都内認可保育園園長も務めている上野里江さんに教えていただきました。
店内でイヤイヤ発動!やってはいけない親の対応・ベストな対応
スーパーや百貨店などの売り場で、子どものイヤイヤが発動したり、子どもがかんしゃくを起こしてしまったときにはどうすればいいのでしょうか?
上野里江さん(以下、上野)「お店の中で、子どもが『あれが欲しい!』『これ買って!』と言い出したとき、急に言われても聞いてあげられないし、子どもの言うことをすべて聞いていたら、わがままになってしまう。そう思うこともあるかもしれません。
しかし、そこでママが『それは買わないよ』『またそんなことばかり言って!』『もう連れてこないよ』などと子どもの思いを否定してしまうと、イヤイヤ・かんしゃくが起きてしまうのです。
実は、子どもはわがままを言っているのではなく、思ったことを言っているだけなのです。『欲しい!』『買って!』は、それだけ気に入った!と、思ったことを言葉にしているだけなのです。
ママの手を離れて歩き回りたくなるのも、ウキウキするような楽しいものがたくさんあるからで、ママの言うことを聞きたくないわけではないのです。
ただ『ダメ!』と止められると、楽しい気持ちを否定されたと感じるのでイヤイヤが勃発してしまうのです」
例:「あれ欲しい!」「これ買って!」と子どもから要求されたとき
NG対応
・子どもの行動だけをやめさせようとしたり、強い口調で押さえつけたりする
・「ダメ」「買いません」「いつもそうなんだから」「そんなわがまま聞けません」「もう置いていくよ」など
OK対応
・子どもの思いに共感する言葉をかける
・「このおもちゃ、いいね」「このお菓子、欲しくなっちゃうよね」「ママも欲しいなぁ」など
上野「子どもは実際に買ってもらえなくても、ママが気持ちを受け止めてくれるだけで、イヤイヤはおさまります。
そして、その後、『今日は買えないけどパパに相談してみよう』や『ママもこれ欲しいから覚えておくね』など、『買わない』という否定的な言葉ではなく、気持ちを受け止める言葉をかけることで、子どもは『共感してもらえた』と感じ、満たされるのです」