「ママのせいだ!」「◯◯くんが◯◯してくれないからだ!」

子どもってすぐ人のせいにしますよね。

小さいうちはそれでよくても、ゆくゆくはしっかり自分を律することのできるようになってほしい、とはどんな親も思うのではないでしょうか。

ただでさえ現代は「正解のない時代」と言われています。子どもをどう育てていいのか、悩む人も多いですよね。

そこで今回は話題の書籍『最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方』(工藤勇一・青砥瑞人 著)を参考に、“人のせいにしない子になる育て方のコツ”をご紹介します。

「自律」と「自立」の違いって?

今は変化の激しい時代です。親の時代に通用していた常識は崩れ、新しい価値観に合わせて生きていくことが求められます。

『最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方』の著者の一人である工藤勇一さんは、宿題や定期テストのない公立中学校の校長を務めたことで知られています。

工藤さんは次のように自律を定義しています。

「自律とは自分で考え、判断し、行動できること」

自立と混同しやすいですが、自立は「他からの助けや支配なしで自分の力で物事を行うこと」であるのに対し、自律はより本質的な意味になります。

子どもの「自律力」を育てる3つのキーワード

それでは、どうしたら子どもは自律できるようになるのでしょうか。

本書で工藤さんは3つのキーワードを挙げています。

・当事者意識

・心理的安全性

・メタ認知能力

当事者意識

「当事者意識」とは、物事を「自分ごと」として受け止める意識です。失敗したときに誰かのせいにするのは、当事者意識が足りないということです。

失敗させたくないという親心からか、日本の親は子どもに手をかけすぎです。子どものやることに大人が手を出せば出すほど、子どもは自律から遠ざかります。

もっとも日本社会には、何につけ責任を取ることから逃れる大人も少なくありません。ですから、当事者意識の問題は子どもの問題というより、大人も子どもも含めた日本人全体の問題といえるでしょう。

心理的安全性

心理的安全性とは「強いストレスのかかっていない状態=心理的に安心できている状態」のことをいいます。

今回は記事の後半で、親がまずできることとして心理的安全性について詳しく説明していこうと思います。

メタ認知能力

メタ認知能力は「自らを俯瞰的に見て、自分自身をより良い方向に上書きしていける能力」です。

大人でもなかなか難しいことですが、これからの時代を生きる子どもたちには必要な能力です。