強迫性障害が酷くて男性とお付き合いができない
そんな曽田さんは壮絶な家庭環境が原因で、「男性との性行為も難しい」と言います。
「どうしても結婚は、女性が縛られている感じがしてしまいます。時代は変わってきていますが、今でも妻という存在は忍耐を求められるというか……。もしかしたら、本来自由なはずの幼少期にずっと親に縛られて育ったから、『大人になったらその分を取り戻したい』という気持ちから、恋愛や結婚を遠ざけてしまうのかもしれません。
世の中には、子どもを欲しがる女性は多いと思います。しかし私はそう思えないので、性行為も嫌です。付き合ったら性行為をしないといけないと思うと、男性と付き合うことすら億劫になります。
もちろん、信頼できる相手が見つかれば性的な関係を築ける可能性もあるでしょう。ただ、私は強迫性障害の症状の不潔恐怖が酷くて、ちょっとやそっとではそれを乗り越えられず……。なかなか症状を理解した上で深く信頼できる相手というのが見つかりそうもない、というのが正直なところです。
実は過去に強迫性障害を打ち明けて、『性行為はできない』とハッキリ言ったことがあります。しかしその人から無理矢理されそうになったので、男性に対する不信感がさらに上がってしまいました。
それでも過去に、一応ちょっと気になる男性ができたことはあります。ただ、付き合うとなるともうダメ。自分から声をかけるなんて絶対に無理です。その人を見かけたとき、『いいな』と思うくらいが限界。結局は心から信頼できる男性と出会わないと、男性不信は克服できないのだと思います」
婚活ブームでも無理に恋愛や結婚をしなくていい
最後に「同じ毒親育ちの人の心を少しでも軽くしたい」と語る曽田さんから、アドバイスをいただきました。
「私は今、実家から大学に通いながら通院もしているので、学費や生活費、病院代などのお金を盾に脅されています。毒親から逃れるためには、経済的に自立して距離を置くしかありません。ただ、親につけられた古傷を抱えながらこれを実践するのはかなりキツイと思います。
なので、まずは親に自分の気持ちを理解してもらおうと思わないでほしいことです。私は虐待による過度なストレスから強迫性障害を発症したので、『この原因がどこにあるのか父親に自覚してほしい』と思っていました。しかし、それを話したら理解されるどころかなぜか怒られて精神的に参ったので、反面教師にしてほしいです。
あと、無理に恋愛をする必要はありません。周りに恋愛体質の人が多いと、恋愛をしていない自分がおかしく思えるときもあると思います。恋愛だけでなく、結婚・妊娠・出産もそうですよね。しかし、『周りがしていることだから』という理由で選んでいる人は、想像以上に多いものです。それらは本当に自分がしたいことなのか、よく考えてみてください。
婚活ブームですが、『結婚できそうな男性なら誰でもいい』という考えは要注意です。きちんと自分の家庭環境の話を聞いてくれる男性であることが重要。そういう人に出会えたら恋愛すればいいし、そうでなければ無理して恋愛しなくていいと思います。
男性への不信感が未だに克服できていない私が偉そうなことは言えませんが……。世の中に女性の幸せにまつわる情報は溢れていますが、『恋愛・結婚することが何よりも大事だ』とは思わないでほしいです」
どんなに父親が暴力的でも、世の中の男性全てがそうではありません。優しい男性はたくさんいます。しかし、そうとわかっていても恋愛に消極的になってしまう女性もいます。それなら曽田さんのように、無理に男性と付き合おうとしなくていいのです。
毒親からの虐待により男性不信になった女性は一人ではありません。恋愛することが当たり前と思わず、「男性を好きにならなくてもいい」と自分の価値観を大事にしてください。