子どもは親を見て育つもの。親の言動は、子どもの恋愛にも多大な影響を及ぼします。今回は毒親育ち故に男性不信に陥ってしまった女性から、その背景について詳しくお聞きしました。

お話を伺ったのは、21歳の大学生・曽田亜美(仮名)さん。

曽田さんは、「父親のせいで恋愛や結婚に全く希望を抱けない」と言います。一体どうしてそんな悲劇が起きてしまったのでしょうか?

父親からの暴力や人格否定発言に絶望した思春期

「私は不仲な夫婦の下で育ったので、結婚して家庭を築くことに憧れがありません。これは、支配的な父親の存在が大きいです。私に殴る蹴るは当たり前。他の兄弟と比べる、精神的な暴力を振るう、などもありました。それで『我が家は異常だ』と気付き、中学3年生くらいから毒親だと思うようになったのです。

父親から、生まれて一度も褒められたことがありません。どんな小さな失敗でも見逃さず、ことあるごとに『お前はできそこないだ』と言われてきました。

また、少しでも不満があると、『金は出さん』と立場を利用して抑圧されてきました。だからどんなに屈辱でも我慢するしかなく……。親が子どもの生存に必要なことを脅しに使うって、絶対にダメなことだと思います。

思春期なのに、容姿について『魚みたいな顔』『デブだから似合う服がない』などと言われたことも辛かったです。『お前は人格障害者だ』『生き方そのものに問題がある』などの人格否定も当たり前のようにされて、心底傷付きました。

5年以上も経つので、父親は終わったことと思っています。しかし、侮辱的な発言に苦しめられていたことが今でも頭から離れません。それなのに、『いつまでも昔のことを』というスタンスでいることに腹が立ちます。

そもそも父親は母親へのDVやモラハラも当たり前だったので、夫婦関係が対等ではありませんでした。そのせいで、男性に対して不信感があります。母親が専業主婦だったので、『どんな男性も経済的に上に立ったら豹変するのでは?』と怖いのです。もちろん今は共働きの時代なので、そんな男性ばかりではないと思いますが……。

母親に『なぜ結婚したの?』と聞いたら、『外堀から埋められて結婚するしかなかった』と言われました。母親も父親の被害者なのだと思います。しかし、子どもが虐待されていても助けてくれないような人です。子どもを守ろうとせず、いつまでも異常な夫婦関係をやめないことに今でも不信感が否めません。

だから両親には、せめて別居をしてほしかったですね。なんでお互い不満だらけなのに同じ屋根の下で暮らしているのか、不思議でしょうがないです」