強迫性障害の原因
脳の神経伝達物質のバランスの乱れが原因とされています。
さらに、こんな考え方の癖がついていると罹りやすいと言われています。
「○○するべき」
「0点か100点しか存在しない」
「白か黒か思考」
「全か無か思考」
強迫性パーソナリティー、几帳面、真面目、責任感の強い親が子どもにもそれを求めた場合、もしかしたら、これらの“考え方の癖”が子どもにも付いてしまうかもしれません。
私は小学生の頃、この病気を発症しました。きっかけは母が口やかましく「電気を消しなさい、きちんとしなさい!きちんとしなさい!」と注意していたことです。
さらに、脅し文句で「火事になっちゃうかもよ」と言われたのをきっかけに、電気を消したかどうか気になる確認行為が始まりました。
改善するには
私の息子は自閉症という障害が生まれつきありますが、中学生になったとき、ストレスからこの病気になりました。自閉症のパターン行動と強迫行為は似ているので見分けがつきにくいのですが、私自身が経験していたので気が付きました。
息子には忘れ物恐怖があり、学校のカバンに入れたものを何度も出し入れし、確認しては不安になり…の繰り返しで、異常に準備に時間がかかっていました。
そんな態度に対して、私は一番よくない対応をしていました。
例えば、
・「いい加減、確認行為は止めなさい」と禁止する
・「また、お母さんが一緒に忘れ物していないか見てあげるから」と強迫行為を手伝う
“不条理なことをやっている”という自覚があり、一番苦しいのは本人です。
それなのに、強迫行為を無理やり止めさせようとしたり、反対に助長させたりする行為をしていたのです。
不安を解消しようとする行為そのものが不安に囚われることになり、強迫性障害を悪化させると言われています。
例えば、鍵を閉めたかどうか不安になり、何度も家に戻って確認する人がいたとします。でも、確認すればするほど不安に襲われます。
一度、家に戻って施錠を確認したら、その後、外出先で不安になっても自宅に戻らず、不安を抱えながら外出し続ける方がよいと言われています。
息子の診察時、医師から次の言葉をかけられました。
「立石君、5回の持ち物確認を4回に減らせるよう、一週間、頑張ってみようか」
「確認したい不安はあっても我慢して、そのままにしておこうね」との言葉です。
そして、家でも母親の私が強迫行為を禁止したり、全て受け入れるのではなく、同じ対応をするように言われました。
これは「認知行動療法」というもので、“見方を変える”治療法の一種だそうです。
少しずつ我慢して確認回数を減らし、自信をつけさせる。“あれ、僕は確認しないで済んだ”という経験をさせて、自信をつけさせていくのです。
精神や心の病は薬物も併用しますが、医師とのカウンセリングにより行動を変えていく治療もします。自分自身の力でなんとか解決しようせず、早めに精神科を受診しましょう。