子ども向けの売れ筋の書籍は、テレビアニメの人気キャラクターものや図鑑、子どもの日常を描いた絵本などのようです。

ですが、イソップ寓話やグリム童話、日本の昔話の中には、親では子どもに教えきれない「大切な教訓」が隠されています。

どのようなことなのか、「心と頭がすくすく育つ読み聞かせ」の著者の立石美津子がお話しします。

「日本・世界の昔話」どれだけ知っている?

次の中で、知っている話はどれくらいありますか?

日本の昔話

・『因幡の白兎』
・『こぶとりじいさん』
・『花咲かじいさん』
・『分福茶釜』
・『一寸法師』
・『浦島太郎』
・『ウサギとカメ』
・『安寿と厨子王丸』

西洋の昔話

・『三匹の子豚』
・『狼と七匹の子山羊』
・『赤ずきん』
・『白雪姫』
・『いばら姫』
・『アリとキリギリス』
・『ジャックと豆の木』
・『北風と太陽』
・『すっぱい葡萄』
・『金の斧 銀の斧』
・『田舎のネズミと町のネズミ』

これらの昔話は、小規模書店では取り扱っていないこともあります。また、話が短く編集されているものもあり、伝えたいことが伝わらないものもあるように感じます。

筆者が以前、“読み聞かせ隊”として小学校を訪問したとき「この話を知っている人?」と子どもたちに挙手させたら、一年生で『三匹の子豚』を知らない子が3割ほど、また、6年生で『安寿と厨子王丸』の話を知らない子がほとんどでした。

自分では体験できない世界も、本を読めば想像上で体験することができます。

それだけでなく、悪者が退治される「勧善懲悪」や、良い行いをすれば報いがあり、悪い行いをすれば罰が当たる「因果応報」なども学ぶことが出来ます。