校正ミスが発生する代表例

1. 文章として読んでしまう
文章として読んでしまうと、意味を汲み取った瞬間に、脳が勝手に補完してしまう可能性があります。

文章と文章を照合するのではなく、文字と文字を照合しましょう。「こんにちは」ではなく「こ」「ん」「に」「ち」「は」と一文字ずつチェックすべきです。

文章として見てしまうと、「こんにはち」とあっても、気づくのはとても困難です。しかし一文字ずつ照合していれば、確実に間違いを発見できます。
 

2. 大きな見やすい文字で油断する
校正に臨む際は、油断を徹底的に排除するべきです。特に、細かい文字がメインの照合では、意外にもタイトルなど大きな文字の照合を見逃しがちです。

文字が細かいと「見落としては大変!」という意識がはたらき、注意を払いますが、大きくて見やすい箇所では気が緩んでしまうんですね。
 

3. 「まさかこんなところに間違いはない」という思い込み
近頃の文章はほぼワープロなので、例えば漢字の送り仮名は日本語入力システムが自動的に出力してくれます。そこで、まさか漢字の送り仮名は間違えないだろうなどと考えていると、大きな落とし穴になります。

最も多いのは、誤入力したり、文章の一部分のみを変更したりした場合の、修正漏れです。きちんと照合していれば見つけられる間違いも、変な思い込みがあると見落としてしまいます。
 

脳をコントロールしよう!

どうでしたでしょうか? 無意識に視覚情報をコントロールする脳の機能には感心してしまいますよね。でも、高機能であるからこそ、校正ミスも発生してしまうわけです。

脳は、必要な情報を取り入れ、不必要な情報を遮断します。脳の働きを理解できれば、おのずと心がけるべき対策も浮かび上がってきますよね。

脳が勝手に補完しないように、文字を文章として読まないこと。油断や思い込みで、チェックする必要がない情報だと不用意に判断しないこと。これさえ徹底できれば、校正ミスは大幅に減らすことができます。

脳にコントロールされてばかりじゃ、なんだか悔しいじゃないですか! 意識を持って、うまく脳をコントロールできるようになるといいですよね。