初期の頃のAKB48みたいだな、って思いました。

劇場の客席が全然埋まらなくて、それでも噂を聞いたり、ネットの書き込みを見たお客さんが来てくれたり。出演している自分たちから発信して、お客さんを増やしていったり。気づいたら劇場が満員になっていた、みたいな。。

それを東京、名古屋、大阪と、公演を重ねるごとに感じることができた作品でした。

ーー公演中、作品の評判がじわじわ広まっていく感覚がすごくありましたよね。

それはすごく感じていました。

やっぱり演劇をあまり観ない、知らないという方たちからすると、チケット代は決して安いものではないし…。だから、今一歩、足を踏み入れづらかったりしたのかなとも思います。

逆に、舞台を観る人にとっては、「ラップ? HIP HOPって何? 」っていう抵抗感があったと思うんです。

でも、本当にそういう抵抗感もひっくり返せる作品が創れたなと思っています。私が偉そうに言うことではないんだけど、自分でやっていて感じていたから。それは観に来ていた人に伝えられていたんじゃないかと思います。

“観に来てほしい”っていう気持ちを、こんなにあからさまに表に出したのは、この作品が初めてだったと思うんです。

ーー佐江ちゃんは普段、あまりそういうのは好きじゃないんですよね。

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